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第2話『雪女の事件簿』 ページ2

「ひっ」

「いつまで怯えているつもり?」


足が震える。自己紹介とは言えない紹介を済まされた所で、やっと現状を理解できた。
いや……まだ理解できてない部分の方が多い。


雪女?いやいや、架空の生物じゃ……

でも、この子が近寄ると、冷気が漂って来るのはなぜだろうか?


雪女だからと言われれば、説明がつくのかもしれない。


だからと言って、家に上げるなどもってのほか。
うぅ……早く窓閉めて……


「ごめんなさいね、急にお邪魔して。ただ……」


黒髪を太ももぐらいまで伸ばした少女は、私にゆっくりと近づく。

クンクンと匂いを嗅いだ。


「何っ……」

「アナタ……憑きやすそうな匂いがする」


…………え?
どういうこと?何が付くの?


「それから、早く窓閉めた方がいいわよ」


開けたのは貴方なんですけどー!?
震えていた足に、鞭を振って窓を閉めた。

「温度を戻すわね。疲れるのよねこれ……」

そんなこと言われても……、私が凍え死んでしまう。


そして、また私の匂いを嗅いだ。


「んー、やっぱり憑きやすい体質なのかしら?」

さっきから何を言っているのだ。
私の心の中は疑問符でいっぱいである。

さっきからこの人はなんなの?そもそも人なの!?


「立花彩ちゃんね、カワイイ名だわ」


いつのまにか、プリントに記した名前を見られてしまった。
個人情報流失禁止!!

頭の中が混乱する中。少女は笑う。


「彩ちゃん。アナタ……」




「私の事件を解決してくださらない?」



「……ん?」


相手の意図が分からない。



「だぁから、私が殺害された事件を」



「解決して欲しいの」



「小さな探偵さん」


ニッコリと笑った顔は、美しい天使ではなく、


悪魔の微笑みに見えたのは私だけ?

第3話『拒否脅迫』→←第1話『正真正銘の雪女』


いずれ、朽ちて汚れて逢えるなら

今から行くよ。貴方の魂を喰らって。


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白波心(プロフ) - S・Sさん» ありがとうございます。此方こそ貴方様のお時間を割いてまで読んで頂き有難うございました。コメントのお返事が遅くなり申し訳ございません。 (2020年4月14日 21時) (レス) id: 4a6ed9dad0 (このIDを非表示/違反報告)
S・S - ジーンときてしまいました……すごく面白かったです!楽しい時間をありがとうございました! (2020年4月13日 14時) (レス) id: 0df261d861 (このIDを非表示/違反報告)
白波心(プロフ) - 46さん» ありがとうございます。言葉選びは慎重に行なっていたので、褒められて嬉しいです。返信が遅くなり申し訳ございません。 (2019年11月16日 13時) (レス) id: 4a6ed9dad0 (このIDを非表示/違反報告)
46(プロフ) - めっちゃ感動しました!言葉の選び方など天才的です・・・ (2019年11月2日 12時) (レス) id: 06efcbf80c (このIDを非表示/違反報告)
風野咲夜 - 番外編も面白かったよ! (2019年6月10日 17時) (レス) id: ef27f9c60f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白波心 | 作成日時:2019年5月25日 23時

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