そういえば私転生トリッパー。 ページ5
『ふんふーん、』
次の日の朝。
今日から講義が始まる。
これで私もれっきとした大学生だ。
大学からそう遠くないところを選んだおかげで、朝余裕をもって準備ができる。
お弁当の具材も昨日買った、素敵なところも見つけた!
出だしは好調、この波を逃さない!
なんて、そんなハイテンションで飛び起きたのがついさっきのこと。
朝食を食べながらお弁当を作って、洗濯物を干して。
慣れない化粧を薄く施して、髪を整える。
カバンの中身をチェックしながら歯を磨いて、ガスと電気のチェックが済んだら、
『行ってきまーす!』
バス停にGO!
とはいえ、
『目の前なんだけどね。』
また独り言を言ってしまった、なんて思いつつももう直す気がないのだから仕方ない。
時間通りに来たバスに乗り込んで、つり革につかまった。
「ーーーただの人、」
不意に耳に入ったその声に、なんだか既視感。
デジャヴ的なあれだ。
でもどこでだろうか。
顔が見たいけど、隣の隣からの声らしいのでちょっとやりづらい。
けどもやもやする。
と、思ったら。
「郁弥は郁弥だよ。」
『っ!!』
いーくーやーさーんー?!←
え、郁弥ってアレでしょ、岩鳶中学の頃の友達の郁弥ってことだよね?!
嘘でしょうこんなに簡単に会えるの転生トリップスキルなの?!
混乱して何やらわけわからない言葉が飛び交っている、転生トリップしてきたんだったって実感したの久しぶりなのよ本当に。
、、、だとすると、
『(隣のこの子も主要キャラなのかな。)』
私の記憶には残念ながらないが、もしかしたら出てきてたのに私が忘れてるのかも。
、、、いや、でもそうとも限らないか。
だってこの世界はこの世界できちんと回ってて、たくさんの人が生きてるんだから。
知ってるキャラのそばにいるのが主要だなんて考えちゃダメよね。
そんなことを考えている間に、降りるバス停の名前が呼ばれ。
降りようと足を動かそうとしたら、
『えっ、』
目の前の2人も出口へと歩き出した。
あなたたちも降りるの?!
2人の後をくっつくようにしてバスを降りる、はずだった。
どんっ、
『、、、えっ?』
「「!!」」
よりによって今日は慣れないヒールを履いてきてた。
せっかくなら可愛く大学デビューしてやろうかなんて考えたから。
後ろからぶつかられた衝撃にそんな靴で耐えられるわけもなく。
私の体は見事に前に傾いて。
『(あー、痛いぞ、これ。)』
思わず、目をつぶった。
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作者名:ヒヨコ | 作成日時:2018年12月20日 10時