夢の始まり。 ページ6
本当によくハプニングが起こるなぁ、なんてくらいに考えつつも体はがっつりこわばって、来る痛みに備えてた。
、、、んだけど。
「っと、」
「大丈夫?」
『、は、』
力強く受け止められた私の体は、痛むどころかとても得する状況に陥っていた。
なんなのこれもう後ろの人にお礼言えばいいのかしら?←
『すみません、ありがとうございます、』
2人の手を借りながらきちんと自分の足で立つ。
あーまって、うん、
『(これまたイケメンですこと!!!)』
目に毒なほどにキラキラした2人を目に入れたらなんだか目が見えなくなってきた。
メガネがいるのかしら私。
「危ないな、あの人。」
「さっさといなくなっちゃったしね。」
ゆるく喋る茶髪の彼とは違って、どこか冷たそうなオーラを纏った彼は、私の記憶より随分と大人びていた。
『あ、と、腕痛いとかないですか、』
咄嗟に出てきたのはそんなセリフで、もうちょっとあるだろうなんて思うがもう遅い。
「別に平気。」
「気にしなくていいよ、君が悪いんじゃないんだしね。」
胡散臭い。
作られた笑顔だとわかるのに時間はかからなかった。
そんな顔するなら、郁弥みたいに仏頂面でいればいいのに。
「行くよ日和。」
「!うん、」
日和。
これまた随分と可愛いお名前で。
そんなことを思いつつ、私も歩き出す。
、、、のだけれど。
『(あぁ居た堪れない、、、)』
よくよく考えれば、同じバス停で降りた時点で同じ大学なのはほぼ決まっていたのだ。
のにも関わらず別々で歩き出したため、まるで私はストーカーだ。
しかも今日に限ってヒール。
音が気になって仕方ない。
と、まぁ終始そわそわしながら
ー霜狼学院大学ー
そう書かれた門をなんとかくぐった。
もちろん、くぐって早々に脇道に逸れたよ。
郁弥ならまだしも、あの日和って人はなんか苦手だったしね。
でも、それはさておき。
『また、ここから。』
私の新しい夢の、始まりだ。
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作者名:ヒヨコ | 作成日時:2018年12月20日 10時