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ひと段落終わった。
ずっと座っていたので、腰が痛い。
思いっきり両腕を伸ばして欠伸をすれば、ボキボキっと音がした。
ヤバ…そんな音出る?ってレベルで骨が音を出した。
それにビックリした鋼さんと目が合う。
気にしてないぞ、とでも言う風にフッと笑ってくれたけど、こちらとしてはめちゃめちゃ恥ずかしい。
「もう4時間経つけど、まだやるか?A」
「…えっ、4時間?!」
4時間…?!あまりの数字に自分でも引いた。
そんなに時間が経っていたのか…
確かに時計をみれば、ここに来た時より短い針が4つほど進んでいる。
そんなに集中していたとは…我ながら凄い持続力だなと思った。
「ありがとうございました。おかげで捗りました」
「いいよ、俺も暇だったしな。もう夕飯の時間だけど、どうする?」
「実はこれから任務でして…」
「うわ、大変だな」
読んでいた本を閉じて、「ちょっと待ってろ」と言い残し、何処かに向かう鋼さん。
残された私は机の上を片付けながら帰りを待った。
全てを仕舞い終えてチャックを閉めた頃、丁度鋼さんも戻ってきた。
手にはジュースのカップが握られている。
「頑張れよ。任務もテストも」
「ありがとうございます!」
コーラ…!
流石、分かっているではないか。などと上から目線で心の中で褒めておく。
再び隊室に戻れば、合同訓練から戻ってきた勇さんが既に換装隊になりゴロゴロしていた。
理佐も奥の方から出てくる。早速自分も換装体に移り、準備を進めていると、パソコンの前に座った理佐から、衝撃的な言葉を口にされた。
「今日は朝まで防衛よ」
「えっ、朝まで?」「マジで?」
「侵攻に備えて 特別迎撃体制を敷くって、さっき連絡が来たから、深夜番の太刀川隊はそっちに流れたの」
「ま、ぶっ通しでも俺らなら余裕だろうよ」
「勇さんは屋上待機で動かないからね…」
要は私の行動時間が2倍長くなっただけだ。
隊長もいないし、ワープが出来ないから移動が自力でさらに面倒。
トリオン体だから疲れはないけど、精神的に疲れる。
なんて理不尽。
自分も狙撃手になれば良かったとこれほど後悔した事はない。
結局その日、防衛任務を終えて 寮に着いた頃には既に日が登っていた。
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ろいど(プロフ) - 一気読みしました!!更新待ってます! (2022年2月25日 16時) (レス) id: 5682104901 (このIDを非表示/違反報告)
本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好き(プロフ) - 続き楽しみに待っています!!!! (2021年12月15日 0時) (レス) @page36 id: 6f7b9e6ac6 (このIDを非表示/違反報告)
白昼夢(プロフ) - 続編ありがとうございます!この作品大好きで、更新されるのいつも楽しみに待ってるので頑張って下さい!!応援してます! (2021年2月16日 22時) (レス) id: e0fa08789a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無名 | 作成日時:2021年2月16日 21時