三十四歩目 ページ36
Aside
「あ、あのさっ、お、俺…Aちゃんのことが好きです！その…嫌じゃなかったら…俺と付き合ってください」
心臓の音がバクバクとうるさい
周りの茜色の景色が妙に雰囲気を作り出す
私の顔はきっとこの千本鳥居のように赤く染まっていることだろう
私はすぐに『はい』とは言えなかった
二郎くんが私のことを好きだって言ってくれた事自体はとっても嬉しい
夢だと思うくらいに信じられない
だけど光があれば影がある
彼の手を取ってしまえば周りの反感を買ってしまうだろう
私が他の人にあれこれ言われることなんてどうでもいい
ただ私といることで二郎くんに迷惑がかかるんじゃないかって
でもやっぱり自分の気持ちに嘘をつくことなんてできない
『私は…他の人からあまり良く思われていないし、取り柄なんかなんにもない。私が塩酸かけちゃった時も修学旅行の班決める時も、二郎くんには助けられてばっかりだった…。私は、こんなに迷惑を掛ける私でも受け入れてくれる二郎くんが好きです』
同じ気持ちなのに断ってしまえば彼が一生懸命伝えようとしてくれた気持ちに申し訳が立たない
気づくと私は二郎くんの手を握っていた
『だから…私で良ければお願いします。』
「ほ、本当……？」
二郎くんは口をぽかんと開けている
彼の瞳はどこか遠くを見ているようで定まらない
私が現実であることを伝えようと軽く頬を引っ張る
「いてっ、夢…じゃない……夢じゃないんだな」
彼は段々と嬉しそうな表情を浮かべ始めた
それとは裏腹に影では歪んだ表情を見せるものがいたことを私達は知らない
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女王(プロフ) - カミサマさん» 応援ありがとうございます。ご期待に添えるようこれからも頑張って更新を続けます！ (2021年6月21日 20時) (
レス) id: c75b1bd3e5 (このIDを非表示/違反報告)
カミサマ(プロフ) - 面白いです！続き楽しみにしています！ (2021年6月21日 20時) (レス) id: 18de018685 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クーカー | 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/p/mmyu671
作成日時：2021年5月5日 16時
