【あんスタ】冗談抜きで好き【羽風薫】 (ページ5)

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許さないからページ5

「俺1人で良かっただろうか」
「もちろん！
逃げ出していったら捕まえていいからさ……頼んだよ」
「ああ。無理はしないでほしい」
「大丈夫、アドニスくんも無理せずにね」

警官になったアドニスくんを呼んで、
俺は海の端にある船着場に移動する。
船着場には、荷物を置くためのコンテナが3つ程ある。
その中のどれかに、誘拐した人物が居るはず。

「ここ、かな」
1番端、少し明るく大きいコンテナ。
でもここまで誰もいなかったのが気持ち悪い。
平日とかじゃなくて、全く人気がしないなんて。

「おかしいなぁ……！」

後ろに居た男の足を払う。
そのまま男は海に突っ込んで行ったが、気にしない。
男なんて興味ないしね。

丁寧に3回ノックをして、コンテナの扉を蹴破る。
「その迷い猫、返してもらえます？」
「ひゃかぜ殿、来てはならぬ……。」
「……どうやらそうみたいだねぇ」

向けられる銃口が視界を遮る中、
はだけたジャージ姿のAちゃんを撫でている男が口を開いた。

「手をあげて、携帯を地面に置け」
「従わなかったら？」
「容赦なく殺す」

非常にまずい自体になった。
撃たれるのもごめんだし、
とりあえず携帯を置いて手を挙げた。

「俺さぁ、この子のこと好きになっちゃったんだよね」
「へぇ、それで？」
「だから直々にお願いしたんだけど、
婚約者がいるからって断られてさぁ」

癪に障ったから誘拐したってわけ。
男のやれ、の言葉と共に入口近くの男が俺を殴る。

「かおる！！」

Aちゃんが俺の名前を叫ぶ。
そして、俺を殴った男に華麗なる膝蹴りを決めた。

「絶対許さない……！」
「正当防衛の範囲でね」

男の手から逃げ出した君と、コンテナで共闘。
とりあえず俺は親玉と思われる男に声をかける。

「許さないから、覚悟してよ」