【ゆう成】血【ひなた】 ページ3
・
血は絆よりも強すぎる繋がりなんだ。
「なぁなぁA! 隠れんぼしよーよ」
『またぁ? ひなたこの間もやったじゃん!』
「いいからいいから! ほらほら!」
まだ双子だった時。まだ無邪気だった時。
いつから壊れてしまったのだろう。
絆より、血を怖がったのは。繋がりを怖がったのは。
わたしとアニキは双子。そっくりだ。
それ故、父に嫌われた。
でも構わなかった。アニキがいたから。
アニキだけ、いたから。
「…Aちゃん。今、なんて言ったの?」
『あんずちゃんとお出かけするんです』
「おれは?」『お留守番お願いします』
あんずちゃんが来て、他人と関わって。
もうアニキだけではなくなった。
だから気付かなかった。アニキは違うって。
双子だから、同じだって信じてた。
『アニキ…? 何してるの…?!』
「邪魔者の排除だよ☆」
にこにこ笑うアニキはまっかか。
わたしが好きなアニキの赤じゃない。
どろりと黒ずんだ醜い紅。血。チ?
アニキの前に倒れてる血を流す少年。
後ろには、少女。あんずちゃんに仙石くん。
アニキの手には血に濡れた包丁。
だれ? この人は、だれ?
「きったないなー。まぁいっか」
「Aちゃんの血は綺麗かな? 綺麗だよな! だって、」
振り下げられた刃物。
「おれと同じだもん☆」
絆より何より。
血の繋がりは深すぎた。それは、狂気。
依存を超えた繋がりだった。
「これで同じだね、Aちゃん」
包丁は静かにひなたの胸を突き刺した。
同じじゃないと許さない。ひとりは、嫌だ。
50人がお気に入り
「あんスタ」関連の作品
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
捌玖拾【ハクト】(プロフ) - 面白かったです!宜しければなのですが、紫之創成り代わりで天祥院英智・朔間凛月オチを書いていただけないでしょうか? (2017年5月30日 23時) (レス) id: 35596ba4c4 (このIDを非表示/違反報告)
村人z - リクエスト失礼します!真成り代わりの泉オチをお願いします! (2017年5月20日 11時) (レス) id: 4591ae1990 (このIDを非表示/違反報告)
ミニマム(プロフ) - アイリアさん» ありがとうございます! 頑張ります! (2017年5月20日 11時) (レス) id: 24c27f4bf7 (このIDを非表示/違反報告)
アイリア - 読みました! 自分の想像以上で、最高でした! これからも頑張ってください!! (2017年5月20日 11時) (レス) id: 66541edd0b (このIDを非表示/違反報告)
ミニマム(プロフ) - アイリアさん» いえいえ、ありがとうございます! リク了解です! (2017年5月20日 7時) (レス) id: 24c27f4bf7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ミニマム | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org
作成日時:2017年5月4日 18時