Important daily life 【男主】 (ページ6)

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実-△ ページ6

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ジスさんの出勤時間は7:50らしいからいつもお話は20分程度する。

けれどジスさんが来る時間を早めれば早める程、話す時間は反比例して長くなる。

『あ、そういえば向かいのパン屋さん、今100円均一イベントやってますよ。ジスさんは朝ご飯食べられましたか？』

｢あぁ…まだ食べてなかったね…｣

『ふふっ、先程からお腹鳴っているのが聞こえていたので…是非行かれてみては？とても美味しいですよ！買ったら戻ってきてもいいですし』

｢うーん…今は人が多そうだしまた今度行かせてもらうよ｣

『そう…ですか…』

やっぱり。

ジスさんはやたらと人が多いところを避けたがる。

色々と不自然な点が多い。

ただ人が多いところが苦手で、常にマスクと眼鏡をつけておかないと気が済まない方なら良いのだけれど…。

ジスさんはお店に入るとマスクを外すが、店を出た途端マスクをつけ、帽子を深く被っている。

いつも一瞬不審者かなって勘違いしちゃうくらいだよ。

『…ジスさんはなんでいつもマスクを付けられているのですか？折角カッコイイのに』

｢あぁ…まぁちょっと事情があってね｣

『ふーん』

ほら、また躱した。

ジスさんは謎だらけ。

店主に聞いても店主からは"本人に聞け"の一点張り。

｢あ、もう時間だ。今日はありがとうね。また明日、Aくんのお話聞かせてね｣

『はい…ありがとうございました！』

少し腑に落ちないけれど、時間は有限だ。仕方がない。

ジスさんの背中を眺めながらそんなことを考えていた。

家に帰り、テレビを見ていた。

僕は音楽が好きで、特段どのアーティストさんが好きとかは無いけれど音楽番組はよく見てる。

＜次のアーティストは〜SEVENTEEN！！＞

『お〜イケメンばっかり』

画面にはイケメンたちが狭そうにしていた。

人数が多いのか、雛壇に上手く乗れてない。

＜今日は新曲を発表されるそうですね？＞

＜はい。我々が自主制作した曲は明るくて、夏にピッタリです＞

＜はい。すごく楽しみですね＞

『ん？』

司会の方からマイクを渡され、曲について説明しているイケメン。

しかしその人は常連のジスさんにそっくりだった。

ドッペルゲンガーかと思わせるほど顔の整い具合、優しそうな顔、唇までもが全て同じだった。

でもジスさんの雰囲気とは全く違う。

前髪を上げて、いつもの珈琲屋に来る落ち着いた感じとは一変し、派手すぎず、個性を主張している。

その人は自分を"ジョシュア"だと名乗った。