早-△ ページ5
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朝5:30に起きて、先に顔を洗う。
1度歯磨きをしてからご飯を食べ、着替えを済ませた後、再度歯を磨く。
家を出るのは6:30。因みにバイトは7:00からで常連さんが来るのも7:30から。
その間は何をするかと言うと、身近なものによく目を向けながら歩く。
ただそれだけ。
色んなことを見ながら、知らない道を見つけたら寄り道してを繰り返す。
くだらないと思うかもしれないけど、意外とそれが面白かったりする。
いつも知っている道なのに、今日はやけに人が多いとか、知らない道で猫と犬が喧嘩しているところを見たとか。
人が多い理由は、道沿いにあるパン屋で100均一イベントを開催してるかららしい。
こういう小さな情報が話す時の話題になる。
「あ、若い兄ちゃん!おはよう!」
『おはようございます!あれ?今日、ちょっとかっこいいですね』
「でしょ!実は…娘が彼氏連れてくる日なんだ」
『本当ですか!』
「あぁ、すっごく楽しみだよ。娘から聞いた通りでは誠実な人らしいからドキドキしてるよ」
『ふふっ、なんか僕もドキドキしてきます…!どうだったか、今度教えてくださいね!』
「おう!いってらっしゃい!」
『はい!行ってきます!』
これもまた新たな話のネタ。
ジスさんみたいな若いイケメンさんは、失礼かもしれないけれど常連さんの中では1人だけ。
他の方はここら辺を長く住まわれてきた年配の方ばかり。
だから今みたいな電気屋のおじさんの娘に彼氏が出来たという話をするととても喜ばれ、話に乗ってくれる。
ジスさんとのお話は色んな話をがあるけれど、基本的に僕の話しかしてない気がする…。
僕から一方的に話す場合があるけれど、ジスさんから大学や一人暮らしについての話を振られる時が殆ど。
僕はずっとジスさんのモテ話や服の選び方などについて聞きたいのに。
ジスさんはそれを全て躱す。
まるで自分を明かさないかのように。
何も教えてくれやしない。
ジスさんも常連のおじさんくらい口が軽かったら良いのに…。
そんなこんなしているとバイト先に着く。
『おはようございます!』
「おはよう!丁度今おじさん達来てるから話聞いてあげて」
『はい!勿論!』
カウンターに入り、制服に着替える。
レジに戻ると、ジスさんが居た。
『あ、ジスさん』
「Aくんおはよう」
『おはようございます!』
いつもは7:30くらいなのに昨日は7:20、今日は7:10。
日に日に早くなってる気が…?
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作者名:ピーナッツバター | 作成日時:2021年8月2日 2時