作戦 ページ30
.
東堂(呼び捨て確定)が来たら悠仁1人を置いて皆んな散る。
『Aは術式的にも棘のサポートな。安心しろよ、棘は強いぞ』
という事で俺は基本的に狗巻先輩と一緒に行動する事になる。
呪言師である狗巻先輩は語彙を絞る事で常に自他を守っている。俺なんかより余程立派で強い人。
悠仁を心配しながら森の中を走っていると、不意にパンダ先輩が口を開いた。
「A、オマエの術式何回か試せるか？もし巻き込まれた時にどんな感じか体験しといた方が良いしな」
「えぇ〜…私は良いわよ」
「しゃけ」
「おっけーです。…いきます」
隣からしゃけと応を聞いて、瞼を閉じて開く。
対象選択と3Dでのイメージはめちゃくちゃスムーズにいくようになった。
と、隣を走っていた2人が驚きの声を上げて一瞬立ち止まり、少ししてゆるゆるとまた足を進め始める。
続けて1、2種類試したところでパンダ先輩にストップを掛けられ、ピンと張っていた集中の糸を一旦切った。
「たは〜っ！こりゃ思ったより嫌だな。対象選択マジで頼むぞ！」
「しゃけ、いくら」
「がっ、頑張ります」
緊張しながら頷けば、安心しなさいと釘崎から声が飛んでくる。
「別れない内は守ってやるわ」
「ホントありがと野薔薇姐さん！！」
「ふふんっ、とーぜん」
「何なのお前ら…」
「高菜…」
＊
悠仁が殺されるかもしれない
パンダ先輩の予測を聞いて、平静を保っているのが大変だった。おまけに俺と狗巻先輩は呪霊狩りを続けてくれなんて言うから。
「おかか！」
「無理です！」
「お前らも悠仁が心配なのは分かるよ。でも俺の妄想が正しければ、京都校がやろうとしてるのは団体戦に乗じた悠仁の暗殺」
団体戦が終われば暗殺も無しだろうとパンダ先輩は続ける。
その言葉に狗巻先輩と顔を見合わせて頷いた。
「真希の事もある。悠仁は殺させないし、団体戦にも勝つぞ」
そう言うパンダ先輩にコクンと頷き、2人に手を振って狗巻先輩と共に走り出した。
ーー悠仁は殺させない。団体戦にも勝つ。これはそのための選択なんだ。
「頼むぞ恵、釘崎…！」
「しゃけしゃけ」
狗巻先輩と顔を見合わせて頷き、服の中へ手を突っ込んだ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 101人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：瑠璃烏 | 作成日時：2021年4月29日 19時
