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紅一点 ページ15

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「おっ、制服間に合ったんだね」


「真っ黒の制服って俺初めて!カッコいいな」


「いや嘘だろ?えっ?あ、まさかあの白学ランて制服だったの!?」



まあね〜なんてテキトーな返事を返して、改めて自分の制服を見下ろす。

左右の脇にぶら下げる式のホルダーだからか、恵とは違う真ん中で閉じるタイプの緩いシルエットの制服。襟は先生と同じだ。

袖の中とか靴とか、色々仕込めるようになっている。

ボタンは上から3つだけで下が開いているのは銃を取り出しやすいようにという先生の配慮だろう。


こんなゆるゆるな制服を着られる日が来るなんて、と感動していたらふと五条先生が手と声を上げた。



「おーい。こっちこっち」











「じゃ、改めて」



サラリとした茶髪を揺らして、女の子らしく手入れされた唇が開く。



「釘崎野薔薇。喜べ男子、紅一点よ」



自分で言うんだ

っていうツッコミはごっくんと飲み込む。



「俺、虎杖悠仁。仙台から」


「伏黒恵」


「一色A。よろしく、釘崎さん」



観察されてるなぁと思いつつも微笑んで見せたら溜め息を吐かれた。



「はぁ…私ってつくづく環境に恵まれないのね」



普通に女の子との付き合い方って知らないんだが。

今までずっと男子校で育った身としては色々と分からないしキツいなぁ…


どうしようかと考えながら、東京観光だ〜!!と騒ぐ2人を微笑ましく眺めていると、五条先生が行き先を発表した。








 









「いますね、呪い」


「「「嘘つきーー!!!」」」


「六本木ですらねぇ!」

「地方民を弄びやがって!」

「ねぇ俺死にたくないよ!」



ワイワイガヤガヤ

心中そんな楽しげな擬音じゃ表せないけど。



「でかい霊園があってさ、廃ビルとのダブルパンチで呪いが発生したってわけ」


「やっぱ墓とかって出やすいの?」



そんな初歩的な疑問に恵が何か答えてるけど全然頭に入って来ない。

ダラダラと冷や汗を流している俺の背を、華奢な手がバチーンと叩いた。



「シケた面してんじゃないわよ男でしょ!」


「は、はいッ」


「大丈夫だよ一色!何かあっても守ってやっからさ!」


「どうしよ悠仁がイケメン…!」


「何言ってんだお前」


「こら恵。泣いちゃうでしょ」



涙ぐみながら悠仁に手を合わせていたら恵が虫を見るような目を向けて来て、それに泣きそうになりながら先生へ振り返って手を振った。



「行ってきます!」


「はーい」



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作者名:瑠璃烏 | 作成日時:2021年4月29日 19時

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