面談 ページ12
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「なんで今更…ぅうう…」
「がっ、頑張ろうぜ!なっ!」
「悠仁は太陽みたいだな…はぁ…」
「あっはははは!ウケるんだけど〜!」
「先生がそういう事言うから泣いちゃうんだろ!」
ただ今、俺は制服姿で扉の前に立っている。ちなみに泣きそう。
ちょうど家を空ける準備が整って荷物を高専に移す事になり、学長と面談しに行くよ〜なんて気楽な感じで五条先生に引っ張られて来た。
特級呪物を飲み込んだというゴリラ少年、虎杖悠仁とはすぐに打ち解けたけど、もうほんと帰りたい。
頑張ろうぜと背中を押されて、何を頑張れば良いかも分からないまま目の前の扉を潜った。
「遅いぞ悟。8分遅刻だ。責める程でもない遅刻をする癖、直せと言った筈だぞ」
オッサンが可愛いを作っている…!!!
心の声は悠仁と重なったと信じたい。
「責める程じゃないなら責めないで下さいよ。どうせ人形作ってるんだから良いでしょ、8分くらい」
自分より10cmくらい身長が低い悠仁の背後に立ってビクビクしながら目の前でのやり取りを眺めていたら、その子達がと自分らに話の矛先が向いた。
「い、一色Aです」
「虎杖悠仁です!好みのタイプはジェニファー・ローレンス。よろしくおなしゃす!」
「何しに来た」
食い気味に投げられたその問いに、思わずビクリと肩を跳ね上げる。
「面談」も「呪術を習いに」も不正解。
その先の話だと学長は言って立ち上がる。息を浅くして強く悠仁の服を握り締めていたら、ちょいちょいと制服の袖を引かれた。
こっちおいでと小声で言われ、酸素の回らない足を何とか動かして先生の隣へ並ぶ。
「始まるとちょっと長いから。終わるまで待とう」
「心臓止まりそう…」
「次に試したい銃の事でも考えてな」
何で俺悠仁と一緒に連れて来られたんだろうと漠然とした疑問を抱きながら、目の前で吹っ飛ぶ悠仁を見て先生に縋り付いた。
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作者名:瑠璃烏 | 作成日時:2021年4月29日 19時