先輩たち ページ10
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「だあぁあもう泣くな!男だろ!」
「もう痛いの嫌ですって!勘弁して下さい!」
「あーあー真希、あんま虐めてやるなよ」
「パンダ先輩ッ!!」
初めはぶん投げられて受け身を取ってを繰り返していたけれど、空手のお陰か受け身は思ったより出来たので段階を一つ上げた。
即ち、禪院真希先輩との組手。
これがもうこの人とんでもなく強いので、毎日ビャービャー泣かされている訳だ。
「何でこんな事に…銃撃ってたい…」
「良いじゃねえの、練習してくれば?俺らはここで適当にやってるから何かあったら言えばいい」
「全く…まあ良いや、見せてみろよ。射撃の腕前」
「えっ、査定されるんですか俺」
「しゃけしゃけ」
勘弁して下さいって多分今日10回は言った。
鈍く光を反射する黒い銃たち。
人を殺せる道具だから初めは触れるのも怖かったけど、随分慣れてきた。
まだあまり触っていないXDMを持ち上げてグリップを握る。
「それは何て銃なんだ?」
「XDMです。これ頼むかちょっと悩んだんですけどね、重いから。約1kgぶら下げる訳なんで」
「これ触ってもいいか?」
「どうぞ。マガジン抜いてあります」
ズラリと並ぶ銃たちに興味津々の先輩達を背に、リアサイトを目と水平まで持ち上げる。
発射音と的に当たる音が5回続いて、小さくガッツポーズした。
今頑張っているのは早撃ち。
毎回毎回狙って狙って撃てる訳では無いから、感覚をさっさと掴む必要がある。
「やっぱすげぇ音だな。人殺せる道具なんだなって感じ」
「高菜…」
「全く同じ理由で触るの怖いです…」
「でもお前、やっぱもうちょい鍛えなきゃダメだろ。何か強い銃とか反動で吹っ飛びそうな身体してるもんな」
「だから真希さんにめっちゃ吹っ飛ばされてるんでしょ!!」
XDMは一度置いて少し大きなグロック17に手を伸ばす。
「リボルバー使いたい」
「なんで?」
だってあんなの男のロマンって感じだし。リボルバーってだけで何かカッコいい気がするし。カッコよくリロードしてみたいし。
その様な事をツラツラと述べたけど、結局は実戦向きじゃないからやめとけという事で落ち着いた。
いつかM500撃ちたい((切実
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作者名:瑠璃烏 | 作成日時:2021年4月29日 19時