やだやだ ページ44
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「え、俺だけ別なの!?やだやだ何それ!何とかして五条先生っ!」
「あははっ、まあAはもう2級だからねぇ」
お願いやだやだと縋り付く俺の背をポンポンと撫でて、五条先生は困ったように眉を下げる。
「文句言うなよ。2級なんて本来なら単独任務任される事もあるんだぞ」
「ナナミンと一緒なんだろ?心配ないよ、ナナミンつえーから!」
「ま、こういう事もあんでしょ。またすぐに一緒になるわ」
恵には呆れた目を寄越され、悠仁に頭を撫でられ釘崎には励まされ。
「ナナミン?って誰なの知らない…やだやだやだ皆んなと一緒がいい!」
「はーい行きますよAく〜ん。親御さんが迎えに来てるからね〜」
「なぁ今度出掛けよう!約束な!」
「おう、良いぜ!」
「分かったよ」
「荷物持ちなさいよ〜?」
五条先生が子供のような駄々を捏ねる俺の手を取り、ズルズルと引き摺られながら皆んなに見送られて部屋を出た。
と、出た所で人の影を視界に捉えて先生の手をパッと離す。
見れば外国の血が混じっているらしい顔の七三分けのサラリーマン(?)が立っていて。
なんで此処に社会人がと不思議に思いながら五条先生を見上げれば、突然先生はその男性の肩に腕を回してニパッと笑った。
「脱サラ呪術師の七海建人くんで〜っす!」
「その紹介の仕方次までに何とかして下さい。切実に」
あぁなるほど、ナナミンね。と悠仁の言葉に1人納得しながら姿勢を正す。
「初めまして、1年の一色Aです。今日は宜しくお願いします」
「ええ、こちらこそ。…驚きですね、五条さんの教え子に品行方正な少年が居たとは」
「ハァ?おいどういう意味だよ七海コラ」
先生ってこんな反応もするんだ、なんて面白くなって思わずクスクス笑えば、七海さんは溜め息を吐いて苦笑した。
「…あの」
「何でしょう?」
「ナナミンって呼んで良いですか」
「引っ叩きますよ」
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作者名:瑠璃烏 | 作成日時:2021年4月29日 19時