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乱入 ページ43

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____アフリカ 五条悟 海外出張時





『それで、えっと、住む世界が違うって言うか何て言うか…』


『住む世界が違う?』


『はい。お家は豪邸だったし、ご両親も立派な方で…Aくんも愛されて育ってたと思います。いつもふわふわ微笑んで優しい子でした』



笑みを湛えて懐かしむように言葉を連ねる乙骨を見て五条は目隠しの下で僅かに目を見開き、一瞬唇を結んでから口を開いた。



『もしかしてA、一人称は"僕"だった?』


『えっ?い、今は違うんですか?』


『今は"俺"って言ってるよ。口調も荒っぽい感じ。多分憂太が思ってるのとは全然違うな』


『うっ、嘘でしょう…?』



心の底から信じられないという表情で見つめ返す乙骨に、五条は肩を竦めて見せた。









ーーー









『____っていう事があったんだ』


「おぉ〜〜…まぁもう仕方ないよね、これは」


『ホントにごめんね!』


「ううん、気にしないで。だって五条先生だよ?たかが僕の家の事なんていずれバレるさ」


『いやAくんのお家も凄いけどさ…』



苦笑する憂太くんに俺も笑い声を上げて、冷めてしまったカップを両手で包む。

ふと沈黙が訪れたと思ったら憂太くんが何か迷うような表情を見せるので首を傾げれば、暫く逡巡して顔を上げた___瞬間。



『オイ憂太!1人デナニ話シテルンダ?』


『うわあぁあっ!?ミゲル!入って来ないでって言ったのに!』


『オ?アァテレビ電話カヨ!誰ナンダ?』


『ちょ、ちょっと!失礼だろ!あぁあぁごめんねAくんっ』



突然扉の開く音が響いたかと思えば嵐のような勢いで男の人がズンズンと入って来て、画面を覗き込んで手を振っている。

ポカンとして見ていたけれど、時間差で思わず吹き出してしまった。



『こちら、ミゲル。こっちで僕の面倒見てくれてる人なんだ。ミゲル、この子は僕の従兄弟のAくん』


「初めまして。憂太くんがお世話になってるみたいで」


『イイッテコトヨ!ソレヨリ憂太、外デ待ッテルカラナ!』


『わ、分かったから!』



画面の向こうの様子に終始笑い声を上げながらミゲルを見送り、憂太くんが疲れたように息を吐き出すのを見てまた笑う。

じゃあそろそろ、と別れの挨拶を告げた所で、憂太くんに思い出した様に問い掛けられた。



『楽しい?』


「…うん。すごく」



なら良かったと笑って、また手紙を送ると告げる憂太くんに頷いた。


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やだやだ→←テレビ電話



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作者名:瑠璃烏 | 作成日時:2021年4月29日 19時

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