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三一、迎え火 ページ31

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灯籠に描いたのは、水の流れの模様。

輪廻、転生、生まれ変わり。

雨となって地に落ちた水は川となり海に流れ、蒸発して雲となり、また雨と落ちる。

人もまたそうやって、生まれ変わりこの世に生を受ける。



この世を去った人々が、来世幸せでいられますように。

そう願いながら、灯籠を川へ流す。

合わせた手を下ろして目を開けると、カカシさんはまだその目を閉じ祈りを捧げていた。


何を祈ってるんだろう…

そう思いつつ口には出さずに川を見つめていると気付けば彼は立ち上がり、私に手を差し伸べていた。



「…帰ろうか、A」


「……はい」



立ち上がると、優しくあたま頬を撫でられる。

笑って見せれば、彼も小さく笑った。




きっとこれは、夏の夢。









ーーー









「あれ……カカシさん、寝ないの?」


「ん…ちょっとね」



2人で家に帰って風呂を済ませると、カカシが庭で何かしている気配があってAが声を掛けた。

Aは、いつもなら振り返って返事をしてくれるのにと不思議に思いつつ追及はせず、何気なくカレンダーへ視線を向ける。


今日の日付を見て、ハッと口元に手をやった。









「父さん、母さん…先生、オビト、リン…」



小さく名前を零してみても、返事が返って来る訳では無いと言うのに___


組み上げた木片が燃え上がる様を見ながら、そんな事を考える。

ちょうど盆の時期だから、多少の気力がある内に物思いに耽りたくて。祭りから帰って疲れていると言うのにこうして迎え火を焚いている。

Aも気を使って縁側の襖は全部閉めて1人にしてくれた事だし。



「あの子…どうなるんだろう。父さんが居たら、どうだったのかな。リンと遊べるってなったらきっと…あの子も喜んだだろうね…」



小さく色々と呟きながら、火が消えないようにと木を足していく。

暫くの間無言で火を焚き続け、少しの眠気に意識を引っ張られ始めると漸く立ち上がって空を見上げた。



「……お帰りなさい」



魂だけじゃなくて、全部帰って来てくれたら良いのに。

毎年一度だけでも会えるなら、もっと頑張って生きようと踏ん張るかもしれないのに。


どうしようもない事を考えてゆるゆると頭を振り、火が消えていく様を見つめた。


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三二、機嫌→←三十、夏祭り



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Rai(プロフ) - 瑠璃烏さん» ありがとうございます! (2020年11月5日 19時) (レス) id: 1de574fab4 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃烏(プロフ) - Raiさん» 機械がてんでダメなので手間取りそうですが…(ー ー;) (2020年11月5日 12時) (レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃烏(プロフ) - 恐悦至極でございます(T^T)こんな自己満小説を楽しんで頂けてうれしいです!お誘い、ありがたく受けさせて頂きます。ありがとうございます! (2020年11月5日 12時) (レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
Rai(プロフ) - やり方はペーストに画面そのまま押し、通常検索など出来る思いますこの作品も大好きでいつも読ませて頂いていますこれからの作品も頑張って下さい! (2020年11月5日 11時) (レス) id: 1de574fab4 (このIDを非表示/違反報告)
Rai(プロフ) - 初めましてもしもご迷惑無ければご参加出来たら思いますもし無理でしたらお断りしても構いません。イベント後「https://uranai.nosv.org/u.php/event/kouooue/」「 あなたの小説読ませて下さい。」 (2020年11月5日 11時) (レス) id: 1de574fab4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瑠璃烏 | 作成日時:2020年10月26日 18時

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