二六 夜中の事件 ページ26
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真夜中___
ひんやりとした冷気が肌を撫でていく。
思わず身震いして布団を口元まで引き上げた。少し目が覚めかけたものの覚醒するにはまだ眠気が勝っていて、少しすればその冷気も春の空気に溶けていった。
おかしいと気付いたのは、その数分後のこと。
またもや冷たい空気が部屋を満たしたかと思えば今度は衣擦れの音が聞こえて、必死に声を押し殺したような音が続いた。
冷気…？
まさか
ハッとして起き上がり、目の前の光景に息を飲んだ。
「ぁ……な…、なんで…っ」
「A…！」
「どう、しよう…ぁ…カカシさんっ……は、離れて…！」
Aの手は霜が降りたように氷を纏い、月光を跳ね返して青白い光を放っていた。
訳が分からないという様子で首を振るAの周りにパキパキと音を立てながら氷の膜が張っていく。
Aはその光景に音を立てて息を吸い込んだかと思うと、目に涙を溜めてカカシを見た。
「か…カカシさんっ！助けて……！」
「…！」
美しくも恐ろしくも見えるその光景に呆気に取られていたカカシは、Aの呼びかけを受けて意識を此方へ呼び戻す。
『名前を呼んで。大声で叫んで下さい。必ず助けます』
自分で言った言葉が頭に蘇り、手を握り締めて助けを呼ぶAに向かって腕を伸ばした。
凍りついた布団に膝をついた事でピシリと亀裂が入り、氷が割れて連鎖を起こしていく。
「…大丈夫。落ち着いて」
「ふ…ぅ……、」
華奢な身体は驚くほど冷えていて、その身体を温めるように優しく抱擁する。
根拠もなく大丈夫だと諭す度にカカシの口からは白い息が吐き出され、寒さと恐怖に震えるAの強張った身体を解かしていく。
次第にAの身体からは力が抜けていき、数分あっただろうか。漸くその腕がカカシの首に回され、縋るように抱き付いた。
相変わらずその身体は震えているものの、漸く動いてくれた事にホッとして優しく頭を撫でる。
「カカシ、さん」
「ん」
「一緒に、お布団…入っちゃダメ、ですか…？」
「……良いよ」
少し驚きながらも承諾し、自分の布団を捲って腕を伸ばす。
段々と氷が溶けていく様を観察しつつAを腕の中に抱くと、安心したように息を吐いて胸元に頭を寄せてくる。
背中をそっと撫でながら、カカシはその瞳に僅かな悲しみを浮かべた。
お互いが不安を抱えたまま、その日2人は身を抱き寄せ合って眠りについた。
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Rai(プロフ) - 瑠璃烏さん» ありがとうございます！ (2020年11月5日 19時) (
レス) id: 1de574fab4 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃烏(プロフ) - Raiさん» 機械がてんでダメなので手間取りそうですが…(ｰ ｰ;) (2020年11月5日 12時) (レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃烏(プロフ) - 恐悦至極でございます(T^T)こんな自己満小説を楽しんで頂けてうれしいです！お誘い、ありがたく受けさせて頂きます。ありがとうございます！ (2020年11月5日 12時) (レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
Rai(プロフ) - やり方はペーストに画面そのまま押し、通常検索など出来る思いますこの作品も大好きでいつも読ませて頂いていますこれからの作品も頑張って下さい！ (2020年11月5日 11時) (レス) id: 1de574fab4 (このIDを非表示/違反報告)
Rai(プロフ) - 初めましてもしもご迷惑無ければご参加出来たら思いますもし無理でしたらお断りしても構いません。イベント後「https://uranai.nosv.org/u.php/event/kouooue/」「 あなたの小説読ませて下さい。」 (2020年11月5日 11時) (レス) id: 1de574fab4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃烏 | 作成日時：2020年10月26日 18時
