→クールキャラ ページ11
「本人に聞く?」
「えっ・・・!」
「とりあえず、話しかけてみねぇ?会話してたらわかるかもしれねーし」
「そうだね。じゃ上杉、話しかけてよ」
「嫌だ。小塚いけよ」
「ええ・・・僕も嫌だよ」
「いけって」
「先に言い出したのは上杉じゃないか」
お、この2人、調査に乗り出すつもりらしい。
探偵チームKZとして一年以上も活動してるからかな、俺達の好奇心が強くなってきてる。
「上杉が行けよ」
「小塚いけって」
終わりの来なさそうなやりとりだな。
面白いから、ちょっと静観してよ。高みの見物ってやつだね。
「俺、KZの中でもそういう役割じゃねーし」
「僕もだよ」
「・・・KZでこういうの専門な人いたよね」
「だな。“対人関係のエキスパート”とかいうやつ」
嫌な予感。
「やっぱり、専門家にやってもらうのが一番だよね」
「こういうのの専門って・・・」
二人が、俺を見る。
こういう時だけシンクロしなくて良いんだよ。
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「あーもう、やればいいんだろやれば」
はいはい、行きますよ。
立ち上がり、机の間を通って天野蛍の席へ。
さーて、どうやって話しかけるかな・・・。
「ねぇ、天野、テストどうだっ・・・」
「ああ、話は聞こえてたよ」
「え」
「俺のテストの話だろ。あれはな、俺、耳がいいんだよ」
耳がいいのか・・・美門みたいなかんじかな。
教室内とはいえ、結構距離あったもんな。それでリスニングでもあんな点数が・・・ん?ちょっと待て。
「耳がいいのと、リスニングの点って、関係ないだろ」
耳が悪いのなら、逆に影響あるだろうけどさ。
「あっ、え、えーっと、それは、その・・・」
途端に、天野はうろたえはじめる。
俺が思っていたより、重大な何かがありそうだ。
ちょっと、気になってきたな。
「本当は、どうしてなんだよ。何を隠してる」
さらに追い討ちをかけてみる。
まあ、ほとんど初対面みたいなものだし、向こうには答える義務なんて無いんだけどね。
「えっと、それは、あの・・・」
無言で圧力をかける俺と、小さく何かをつぶやきながら目を泳がせている天野。
数秒後。
「あーもう、やっぱり俺に隠し事は無理みたいだ。言うよ」
あ、言うんだ。
「その代わり、内緒にしろよ」
そう言って、天野は上杉と小塚を見る。
「分かった。あの二人には“耳が良いから”って言っとくよ」
「ああ、そうしてくれ。単刀直入に言うとな・・・」
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作者名:雛あられwith梨の華 | 作成日時:2018年12月8日 14時