あほ面さんが言うことには ページ18
(まふまふside)
思った以上に"すごいニュース"を持ってきたケンちゃんに、さかたんは目をぱちくりさせる。
そらるさんもうらたさんも、もちろん僕だって同じ表情だった。
てる「それはどこの情報で、そのお友達は誰でどこにおるのじゃ、このあほ面」
まふてるが僕達の顔を見て溜息をつくと、一呼吸置いてからケンちゃんに聞いた。 彼のこういう行動には慣れっこなのかもしれない。
初対面では変な奴だと思ったけど意外に苦労してそうで同情心が湧いた。
ケン「んーとね、かみさまから!!もーすぐここに詳細も来ると思うよ!!」
あっけらかんとした様子のケンちゃんより、その身勝手な神様に腹が立つ。
直接自分から説明すればいいのに。
感情が顔に出ていたのか、まふてるが僕の方を見てびくっとする。僕が勝手にムカついていただけなのに、なんだかちょっと申し訳ない。
そら「神様、ってどんな奴なんだろうな」
そらるさんが天井を見上げて呟いた。上を向いた睫毛の影が、ふわりと瞳に落ちる。
まふてるとケンちゃんが驚いたようにそらるさんを見た。そらるさんもつられて二人(二匹?)と目を合わせる。
そら「なに」
てる「案外、」
まふてるが口を開きかけてから、ケンちゃんを見て口を閉じる。ケンちゃんは、貼り付けたような笑みを浮かべていた。
てる「いや、やっぱりなんでも」
まふてるがお茶を濁そうとしたその瞬間、
金色の稲妻が、ガラステーブルの真ん中で光った。途端にばちっと弾けるような音がする。
そらるさんはひ、と声を漏らし、うらさかはお互い抱きしめあって、まふてるとケンちゃんでさえ若干引いた顔をする。
ただ僕だけが妙に冷めた気分で、その光を眺めていた。
暫く眺めていると自分がただ気分が冷めている訳ではないのに気付いた。
とても綺麗なのだ。
金色から白銀に変化した稲妻の光が少しずつ何かをかたどっていく。ちかちかするのにも構わず目を凝らすと、形が見て取れた。
まふ「木だ、」
木?とそらるさんが繰り返す。
細かく分かれた稲光は、四方八方に伸び、高さ50cmほどの針葉樹を形成していた。
てる「イグドラシル、じゃな」
段々激しさを失う姿を目に留めつつ、まふてるがそう零すのを聞いた。
木が大方出来上がると稲光はほとんど姿を消し、稲妻のように眩しい金銀の幹だけが残る。
ふむ、とまふてるが調べるような手付きで枝に触れると、ふわりとその枝先に紅く光る三日月がぶら下がり、枝に赤黒い文字が刻まれた。
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コアラランド(プロフ) - すとぷり....6人...青....あぁ (2020年1月14日 0時) (レス) id: 5b9d17e3ea (このIDを非表示/違反報告)
れふと。(プロフ) - Liouさん» あれま…結構わかりやすくしたつもりなんですが… これからしっかりわかりますよ~ (2019年9月30日 17時) (レス) id: fdc4b938b2 (このIDを非表示/違反報告)
Liou(プロフ) - すとぷりが出たところがわからず頭を抱え込みながら読んでます(´・ω・`) (2019年9月28日 11時) (レス) id: 786bb358f0 (このIDを非表示/違反報告)
れふと。(プロフ) - 菜萃さん» コメントありがたいです、ありがとうございます…もっとすこっていただけるよう頑張る所存です! (2019年9月28日 6時) (レス) id: fdc4b938b2 (このIDを非表示/違反報告)
菜萃(プロフ) - 歌い手で異世界...あ"〜〜〜〜〜、好き。← 無理しないでくださいねヽ(´ー` )ノ (2019年9月26日 18時) (レス) id: b58c2b79a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れふと。 | 作成日時:2019年6月24日 22時