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乱「…」
貴「…」
…暇だ。
仮にもお仕事中だというのに暇だなんだと言うのは少々気が引けるが、とても暇なのだ。
なにせ私と乱歩さん二人きり。他のみんなはお仕事やパトロールという名の散歩、出張や美女探しなどで出払っている。私たちに回ってくる仕事は今日は無かった。(いつも遊んでばかりみたいだけどちゃんとお仕事してるからね!本当だよ!)
…暇だ。
隣のデスクでは乱歩さんがうとうとしている。可愛い。とても可愛い。
故に。
ふと思いつき、おもむろに乱歩さんのほっぺをつついた。
乱「う。…なに」
眠そうな顔をこちらに向ける乱歩さん。まるで猫みたいだ。続け様にふにふにつつく。
乱「なに、う、なんなの」
されるがままにつつかれている。本当に成人男性かと疑わしいほどに可愛い。大丈夫?こんなに可愛くて誘拐とかされない?
貴「ふにふにですね…」
乱「なに、いひゃいよ」
いひゃいですって。目の前の上司が可愛すぎて爆発しそう。ふにふにふに。
乱「む」
ふに。
乱歩さんにほっぺをつつかれた。
一瞬身体が固まる。びっくりしてしまって思わず手を止めてしまった。
乱「おりゃ」
反撃とばかりに乱歩さんが私の頬をつつきまくる。
必死に顔だけで逃げようとするもすぐ後頭部を引き寄せられる。くそぅ、力だけは成人男性だ…!
貴「う、ぁ、ぁっ」
思わず上擦った声が出た。と同時に乱歩さんの攻撃が止んだ。後頭部の手が私の頭を撫でるように落ちて離れた。
乱歩さんの方を見ると、少し顔を赤くして固まっていた。
乱「…」
貴「…?あの、乱歩さ」
どうしました、と声を掛けようとした。
乱「A」
いつもより少し低い声。というより、余裕のない声だろうか。少し俯いて言った。
乱「…僕以外の人がいる時に、そういう声出さないでね」
…それは。
そういうことと解釈して、良いんだろうか。
乱「分かった?」
顔を隠すようにそっぽを向いてしまう乱歩さん。
貴「…はい」
返事をする自分の顔も、彼と同じくらい赤いかもしれない。二人で暫し、よそよそしい空気を味わった。
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麗(プロフ) - 5ページ 太宰さんに乱歩さんに 乱歩さんを ではないでしょうか? (2021年3月28日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 3ページ 丈が眺めの 眺め ではないと思います、、 (2021年3月28日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
飛花落葉(プロフ) - みずさん» 嬉しいです!ありがとうございます! (2018年8月13日 19時) (レス) id: 3b14457373 (このIDを非表示/違反報告)
みず(プロフ) - 乱歩さんに萌えました。あなたとあなたの作品が好きです心から。 (2018年8月9日 6時) (レス) id: 40c42479fe (このIDを非表示/違反報告)
飛花落葉(プロフ) - 通りすがりの変人さん» 嬉しいです!頑張ります!読んで頂きありがとうございます〜! (2018年5月27日 5時) (レス) id: a4f8881ef2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:飛花落葉 | 作成日時:2018年3月21日 15時