【文スト】助手なんていらないんじゃ…

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貴「おはようございまーす！」

少しずつ暖かくなり始めた風が頬を撫でるのを感じながら、扉を開けて笑顔を作る。


ここは武装探偵社。
私の職場であり、大切な仲間が集まる場所である。

尤も、今は数人の姿しか見当たらないが。


「お早う、Aちゃん。今日も元気だね」

挨拶を最初に返してくれたのは、茶髪に少しダボついた服をゆったりと着た男性。

谷崎潤一郎さん。いつでも優しい笑顔を向けてくれる。


貴「谷崎さん、おはようございます！」
谷「うん、お早う。」


この人と話していると気分がほわほわしてとても落ち着く。やはりこの優しい笑顔のお陰だろうか。

しかしながら、私はこの空間をほわほわさせる前にやらなければならないことがある。

私の日課のひとつ。


谷「乱歩さんならまだ来てないよ」
貴「いつも通りですね…社員寮でしょうか？」
谷「そうだと思うよ。行ッてらっしゃい」


そう言って谷崎さんはまた微笑んだ。
私はその微笑みに応えて、さっき入ってきた扉から、社の外に出た。





これから、江戸川乱歩を起こしに行くために。

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