【あんスタ×アイナナ】アイドルたちは天才少女に恋をする！？ (ページ12)

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恋11 明星スバルside ページ12

収録後、少し経つと木南さんが話しかけてきた。

「ダンスも歌もとっても素敵でした！」

「ありがとう！」

「本当…憧れます」

そう静かに言うから俺は首をかしげて「何が？」と聞く。

「お父様のことがあるのにいつも笑顔で明るくて…何よりも同じ道を目指すことが」

「普通だったら同じ道を選ばない」と言う。

父さんはいつもテレビの中でキラキラしてて。

俺もそうなりたい、父さんみたいなキラキラしたアイドルに。

「俺の昔からの夢だったから」

「夢を夢のままで終わらせない…お父様もきっと喜んでくださってますよ」

そう微笑んで言ってくれた。

「そうだったら嬉しいな」

「立派になったなって言ってくれてますよ、きっと」

この業界じゃ父さんはあまりよくない印象を抱かれている。

みんな父さんのことを「あの明星」と呼ぶ。

「貴方のような息子さんを持って貴方のお父様は幸せですね」

でもこの子だけは違う。

「明星さん」「貴方のお父様」この子は一度も「あの明星」なんて呼ばなかった。

この業界の人は明星の名前を聞くと「あの明星」と呼ぶことが多かったから。

だから俺の好きじゃない呼び方を知ってくれてる気がして。

俺の気持ちを考えてくれてるような気がして。

嬉しかったんだ。

この気持ちはきっと君にしか抱かない気持ち。

この気持ちの名前はまだ解らないけど。

きっと近いうちに解ると思うんだ。