Dandelion (ページ23)

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そんなことを考えてたら急にはっすんがモゾっとして両手をグーにして目を擦る。

俺はあっ！って思い身体を起こす。

はっすんは目を開けキョロっとして俺を見つけるなり涙をこぼしながら腕を伸ばしてきた。

正｢どしたん？｣

と聞きながらベッドの方に腰掛ければ泣きながら思いっきり抱きついてくる。

俺は優しく背中をトントンしながら

正｢かずくん泣かんで？｣

となだめる。

和『あんな、あんな、お兄ちゃんな、まさかどのおかげでな、あったかいねんけどな、心がな、かなしいって、くるしいって、泣いてるんよ、』

しゃくり上げながら『かずくん』は話す。

正｢そうだったんやね？教えてくれてありがとう｣

和『あとな、かずやもな、』

正｢ん？なぁに？｣

和『自分のせいでじょおくんて人にな、知られてもうたって…』

正｢大丈夫やから安心しぃ？｣

和『…ほんまぁ？』

正『ほんま、ほんま。かずくんは優しい子やな？』

そう言って少し体を離して頭を撫でながらはっすんの顔を見れば涙と鼻水で大変なことになってた。

正｢あぁ、もう鼻水垂れてしまっとるやんか。ちょい待ち、ティッシュ取るから｣

俺はティッシュを取って子供にしてあげるように鼻をかませる。

和『……なぁ、一緒に寝てくれるぅ？』

どう考えても成人男性二人で寝るには狭すぎるが

正｢ええよ｣

そう笑顔で答えれば泣いてた顔が笑顔になる。

向かい合う形で横になり『かずくん』は胸元に顔をうずめてくる。

しかし、急にバッと顔を上げ寂しげな表情で

和『もう戻らな……今日…ぼくが出てきたこと……お兄ちゃんに、言わんで…』

そう言い終わる頃にはもう目を閉じていて寝息が聞こてくる。

俺ははっすんの髪を撫でて

正｢おやすみ｣

とつぶやいた。

こういう時に『かずくん』が出てくる事は多いがこんな短時間も珍しければ、なおかつ｢言わないで｣とお願いされたのも初めてだ。

別人格が出てくる時は主人格いわば、はっすん次第らしいけどそれら全ては無意識下らしく別人格達も急に呼び出され戻されるといった感じらしい。

きっと、はっすんの心情が絡んでるのだろう。

なんとも言えない気持ちになるが、はっすんの顔を覗きこめば可愛らしい顔で眠っていて自然と笑みがこぼれる。

そして、はっすんの体温を感じて

あぁ、ちゃんとおるんやなぁ。

と改めて実感すればだんだんまぶたが重くなる。

弁当も頼んだしもう少しだけこのまま──

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