Dandelion (ページ21)

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俺はゆっくり深呼吸して目を開け、頬を両手で叩く。

そして、ちゃっちゃか頭と身体を洗えばお風呂から上がった。

ドライヤーも適当に済ませご飯を食べる気力もなく、ベッドに寝転ぼうとした所でスマホを全く見てなかったことを思い出しチェックする。

マネージャーから来てた明日のスケジュール変更の連絡には《大橋の体調不良による──》とあり少しドキっとしたが返事をして、他はたいした内容ではなかったので画面を閉じて充電機にさした。

明後日はなにわ揃ってのレッスンや打ち合わせがある。

撮影に関しては大橋がいないとだが変更についてはいくらでも言いようがあるはずだ。

やけど、レッスンは大橋がいなくてもできるが元々全員揃ってだったのに大橋不在は取り繕うことができない。

先生は事務所に大体の復帰目処は伝えるって言ってたけど結局のところ明日次第だ。

大人の判断だろう。

ラジオも今週じゃなかったのが幸いだ。

思い返せば、なにわ男子になって大橋が体調不良でと言われスケジュールが変更されたりレッスンを休んだりは今までも3回ほどあった。

1回は大吾と揃ってインフルエンザになったとかで1週間くらい休んで、もう2回も結局復帰するまで2～3日かかっていた。

ここまで細かく覚えてるのは、なにわ男子になる前はなかったことだからだ。

でも、俺や他のメンバーだって体調崩すし決まって仕事が立て続けにあった後だったからなにわのリーダーになって人一倍動くようになったあいつもちゃんと人間なんやな～なんて思って今までさほど気にしてなかったが今となってみれば……

俺はベッドに横になって天井を見上げる。

今日ことが全て、

｢夢やったら｣

ポツリと出たその言葉は、虚しく消えた。

それならせめて、

俺は目を閉じる。

大橋、ごめんやけど起きたらさもう逃げへんから。

やから、せめて今日だけは───

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