検索窓
今日:4 hit、昨日:11 hit、合計:42,446 hit

第四十五夜 ページ48

シャルルカンたちがいることを願いながら銀蠍塔へ向かう








カキンッカキンッ


以前と同じように剣を交える音が聞こえた


柱の陰からそっと覗いてみると、剣を交えていたのはシャルルカンとハギだった

「おらおら、しっかりしろ。
それで終わりかァ?」

「っ……
まっ、まだまだぁ!」

シャルルカンの方が圧倒的有利だということは、剣を知らないAにもわかった



そのままずっと2人の様子を見ていると、不意に後ろから声をかけられた

「王女様?」

「⁉︎
キヨさん!」

2人に気を取られていて、背後のキヨに全く気がつかなかった


びっくりした…と胸を押さえているAに、キヨは尋ねる

「今日はどうして此処へ?
やっぱりシャルと……」

「違いますよ!」

疑わしげなキヨの推測を慌てて否定する

「今日はちょっと……頼み事がありまして」

真っ直ぐに自分を見つめるキヨから少し顔をそらし、うつむく

「シャルにですか?」

キヨはまだ疑わしげな顔でこたえる

「ええと、ですね。シャルルカンさんがいいというわけではないんですけど…」

目を合わせず手を握ったり開いたりして言い淀む


「つまりですね…」

「はい」


「私に剣を教えていただけませんでしょうか」



言い切るとふぅ、と息を吐く

それから何も発さないキヨをちら、とみると、


固まっていた

「キ、キヨさん?」

そーっと、キヨに声をかけると、口を開いてくれ…

「それはおかしい」

「え?」

たかと思えば否定される


「それはどういう…」

「それはおかしいです、王女様。
貴女様はこの国に来ても王女であることには変わりません。というか今貴女様はシンドバッド王の妃になる方かもしれないと聞きました。
そんな方が剣を握るだなんてとんでもございませんっ」

早口で捲くし立てれば、偉そうなことを申し上げてすみません、と頭を下げる


「あ、はい…」


Aはキヨが早口すぎたのかスピードについていけず、キヨに言われたことを脳内で再生する

(つまり……)




私はこの国にきても仮にも王女




で、シンドバッド王の妃になるかもしれない




結論、私に剣はムリ



(……なんでこれくらいのことすぐ理解できないかなぁ)

自分の理解力の遅さに落胆していると、




「いいんじゃねぇの?王女サマが剣やっても」

柱から顔をのぞかせた人がいた

第四十六夜→←第四十四夜



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (21 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
45人がお気に入り
設定タグ:マギ , ジャーファル
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

由佳七助(プロフ) - 雲散霧消ダーク・エンジェルさん» そのあと何もやる気がおきませんでした(笑 ありがとうございます、ちびちび更新していきます (2015年8月22日 15時) (レス) id: bebc3960bd (このIDを非表示/違反報告)
雲散霧消ダーク・エンジェル(プロフ) - 4回も消えたんですか!?それは凄いショックですよね……。更新頑張って下さい! (2015年8月22日 4時) (レス) id: 37cbfd75cc (このIDを非表示/違反報告)
由佳七助(プロフ) - 緋乃さん» ……!Σ(゚д゚lll)本当だ。直しておきます。ご指摘ありがとうございます (2015年7月30日 22時) (レス) id: bebc3960bd (このIDを非表示/違反報告)
緋乃(プロフ) - シンドバットじゃなくてシンドバッドです (2015年7月30日 18時) (レス) id: 270b540a12 (このIDを非表示/違反報告)
由佳七助(プロフ) - アリスさん» 応援ありがとうございます( ´ ▽ ` )頑張ります (2015年7月29日 23時) (レス) id: bebc3960bd (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:由佳七助 | 作成日時:2015年7月26日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。