【マギ】王妃と政務官

第三夜 ページ4

母さんが病気にかかりました

「母さん、どうしたの？」

ある日、母さんの買い物の手伝いに行った帰り、母さんの歩き方がいつもと違って、私は声をかけた
なんだかふらふらしてた

「大丈夫よ、なんでもないっ」

母さんはきれいな笑顔でかえしてくれた
だから私も安心してまたいつもみたいにみんなと遊んだ

でもそんなある日、母さんに頼まれたおつかいをしてきた帰り、隣の優しい叔母さんが慌てた様子で私のところへ駆けてきた

スラムではお隣さんのことを気にしてくれる人なんてなかなかいない

「Aちゃん、お母さんが！」
「母さ……えっと、母がどうかしましたか？」
「お母さんが…Aちゃんのお母さん……倒れちゃったのよ！」


「＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿え？」

いつもお日様みたいに笑っていた母さんが倒れた？

そんなバカな！

「母さん！」
叔母さんと家に向かうと、母さんが寝ていた

とても苦しそうだ

「A……」

とても苦しそうなのに、母さんは私の名前を呼んでくれた

「さっきお母さんをみてみたんだけど、妊娠とかじゃなさそうなのよ」
「じゃあ母さんは死んじゃうの⁉︎」

私が叔母さんに問うと、叔母さんは私の肩をそっと抱き寄せた
きっと私が今にも泣きそうだったんだ

「母さん！死んじゃだめだよ！」

とうとう堪え切れなくなり、横になっている母さんの手を握る

母さんは弱々しく笑った
「あんたが明日からみんなの世話をみるのよ、A
マリアムなんてまだ小さいんだから、お母さんみたいな人が必要なの、わかった？」

「…………………………………………うん！」

母さんは最期まできれいな笑顔だった。

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