【弍拾-参】 ページ25
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「…吊らないんですか。」
自己治癒を試みるも彼は常に私の首を狙っている。這いずってハッチを探す他ないらしい。
「話がしたいんだ、お前と。」
彼は私のダウン姿を写真に収めると満足そうにこちらを見る。悪趣味にもほどがある。
「話、とは。」
「…クリセント家とはよくパーティをしていたね。お前は母親の横で縮こまっていたようだけれど。」
全部見ていたのかこの人は。私が悪く言われていることを。嫉妬に塗れた毒を無理矢理聞かされるのを。
「単刀直入に聞こう。お前は此処で何をしに来た？財力を取り戻しに来たのかい？」
「…金には興味ない。人に頼らなくとも生き残れることを…自己満足に過ぎないが証明しに来た。」
私の言葉を聞いたハンターさんはそれはそれは可笑しそうに声を出して嗤う。この人に限っては堪らなくウザったい。とっとと吊って帰らせて欲しい。
「…じゃあその指輪は？死んだ母に未だに縋っているじゃないか。」
「あ、あくまで遺品です。棄てられない。」
ゲホッと血の絡んだ咳が出る。そろ々失血死を迎えるらしい。けれど、何故だか苦しくない。それがこのゲームなのだろう。
「その能力は居場所共有と仲間の場所へワープ、だろ？“一人で生き残る証明”…？ハヽッ、馬鹿々しい。どの能力も、今までの生き方も、全て誰かに頼っているじゃないか。」
「ッ…！」
何となくわかっていた。だからそれを証明するために。…しかし、私に与えられた能力は変わらず人の助けがないと上手く使えない。
「A クレセント…お前は一人じゃ何も出来やしない。」
振りかざした剣は私の指輪に目掛けて勢いよく下ろし、パキッと何かが砕け散る音と共にいつもの長机に伏していた。
「A…！すまない！」
バッと私の元に駆け寄ってきたのはイライさん。謝る彼に“大丈夫でしたから”なんて話すも先程のあのハンターさんの発言が気になって仕方ない。────お前は一人じゃ何も出来やしない。
左手をチラと見ると、例の指輪が無くなっていた。慌てて周りを探すと、椅子の下には粉々になった指輪の破片が散らばっていた。その状況を見たイライさんも思わず青ざめた。
「…お母さん…。」
唯一の遺品が粉と化し、私は何もできない一人の少女と成った。
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Othello - クロムさん» あっ…(昇華する音)何も意図はございません…いや、ありがとうございます…Vって載せてたつもりでした…クロムさんありがとうございます！！！ (2019年12月18日 12時) (
レス) id: bb4a402862 (このIDを非表示/違反報告)
クロム(プロフ) - IVって4じゃないですか？違ったり、何か意図有る物でしたらすいません。 (2019年12月18日 7時) (レス) id: 45185143f8 (このIDを非表示/違反報告)
Othello - 遙さん» ありがとうございます！無理せず彼との話を綴ろうと思います(^^♪ (2019年12月14日 3時) (レス) id: bb4a402862 (このIDを非表示/違反報告)
遙(プロフ) - 好きです…！無理ない更新、お待ちしています！ (2019年12月13日 22時) (レス) id: c146627df3 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2019年12月6日 1時
