早口熱血漢×武闘派少女ってアリ？【早川充洋】Part10。

329**追いかけっこ** ページ11

泉「早川笠松先輩足止めして！！私陽和先輩追うから！」

早川「えぇ！？わ、わかった！！」


戸惑いなら早川が笠松先輩を羽交い絞めにしてる間に、陽和先輩を追いかける。

そこそこのスピードで走る陽和先輩がどうかこけないことを祈る。

もしあの話が本当だとして、お腹でも打ったら...

最悪の事態を想像してしまい、サァっと血の気が引く。



泉「陽和先輩スト〜〜ップ！！！！！」



私は私の持てる脚力を全部使って、私は陽和先輩に追いつく。

そして後ろから陽和先輩に抱き着いて、倒れないように支えることも忘れない。


陽和「うっ、浦城さん...？」

泉「はぁー...先輩良かったぁ、転ばなくて;;;」



腕の中にいる先輩の存在に私は安堵をした。

それにしても、こうやって先輩追いかけてると夏の合宿思い出すなぁ...

あの時も笠松先輩との喧嘩に私が偶然居合わせてさー…



陽和「……浦城さん…さっきの話...聞いてたの...？」

泉「あ、えっと、すいません;;」


「チョコ渡そうと先輩達探してて...」と私は後ろめたさに言い訳をする。

改めて向き直ると、陽和先輩のお腹周りはよく思い返すと確かにちょっと太ってるように感じた。

カーディガンやもともと太って見えるジャケットのせいで幾分はごまかされてるけど...。


泉「あのっ、さっきの話本当なんですか？陽和先輩のお腹に…」


少し濁して私が聞くと、陽和先輩は確かに頷いた。

うわぁあああ！！やっぱりその話本当なんだ！！てことは、今この中には、陽和先輩の子供が！！！！



陽和「それで...その..それ以上は...」

泉「ごめんなさい陽和先輩！！！」

陽和「！？」

泉「私なんかが聞いちゃってごめんなさい！！私誰にも言いませんので！！早川にも口止めしっかりとしておきますし！！！」


勢いあまって謝罪をする私に、陽和先輩はぽかんとしている。

え、あれ？なんで...？？


陽和「...聞かないの？」

泉「え？何をですか？？」


何を聞けというんだ？え？なんか聞くことあったけ？

うーん......


泉「まぁそれはともかく...先輩体大事にしてくださいね？それと笠松先輩は早川に足止めさせてるんで、逃げるなら今のうちに...でも絶対走らないでくださいね！」

陽和「う...うん...」



無関係な私が言うことではないだろうが、このくらいは言わせてほしかった。

そして馬鹿な私は陽和先輩を見送ってから、チョコを渡し損ねたことに気付いた。

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