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光「ヒロトさん!」

灰崎「ヒロト!」

二人の声も届かず、ヒロトくんは部屋を出ていってしまった。

『一人じゃ危ないよ……!』

私の呟きを聞いて、灰崎くんが言った。

灰崎「俺が行って、探してくる」

光「だめだよ、灰崎くん!」

光くんが止めようと、灰崎くんの腕を掴んだ。

灰崎「離せよ一星!あいつ一人じゃ危ないだろーが!」

いつもは睨み合って喧嘩ばかりしている二人だけど、今の灰崎くんの言葉は、ヒロトくんを大事に想っているということが伝わってきた。

光「でも!『行って、灰崎くん』Aさん!?」

私の言葉に、光くんは驚いたように目をまるくしてこちらを見つめた。

『行ってあげて、お願い……』

光「Aさん……どうしちゃったんですか……?」

信じられないとでもいうように、光くんは目を見開いて首を振った。

灰崎「んだよ。いつものお前だったらすぐに止めるくせに……」

『ほんとは……私だって止めたいよ』

光「ならどうして……?」

光くんは訳がわからないような表情をして、私を見つめた。

『なんか……嫌な予感がするの』

光「嫌な予感……?」

灰崎「どういうことだよ?」

私の言葉に、二人は問いかける。

『ヒロトくんが危ない……そんな気がするの』

妙に胸騒ぎがして、私は自分の胸元を掴んだ。

『だからお願い、光くん。灰崎くんを、行かせてあげて……!』

光「A、さん……」

灰崎「A……」

二人は私の名前を呼び、顔を合わせる。

光「……わかりました」

そう言って、光くんは灰崎くんの腕を離した。

灰崎「んじゃ、行ってくるぜ」

『気をつけてね』

光「なにかあったらイレブンバンドで言って」

灰崎「ああ、わかった」

そう言って、灰崎くんは部屋を出ていった。

『ごめんね、光くん』

光「いえ。Aさんが言ったように、俺もなんとなくわかりますから」

気にしてませんよ、と光くんは優しく微笑んだ。

光「ここを調べてみましょう。なにかあるかもしれませんから」

『うん』

だけど、タンスやクローゼットの中などを調べる私達だったが、なにも見つからなかった。

『なんにもないね……』

光「そうですね……気になるといえば、あの銅像ですね」

この部屋に置いてある銅像を見て、光くんは呟いた。

『この銅像、なにかあると思うんだけど……』

光「動かせると思いますよ。たぶん、どこかに運ぶんじゃないですか?」

私達は銅像をペタペタとさわって、なにか仕掛けなどがないか調べた。

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水無月梅雨(プロフ) - 風丸さんと円堂さんが死んで、その次は推しのヒロトくん!号泣しました。一星くんと両想い、おめでとう (2020年8月17日 14時) (レス) id: 94c4844f93 (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 良かった…ちゃんと、かえって来てくれた! (2020年6月19日 19時) (レス) id: c80579e6b6 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶之夢 - 風丸と円堂、ヒロトで大打撃なのに次は誰が死んじゃうのよ!更新頑張ってください! (2020年6月15日 21時) (レス) id: c7cfce80ec (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 光くん、ずっと守っていてくれてかっこいい!最後光くんが部屋から出ていっちゃったけど、どうなったんだろう。更新頑張って下さい(^o^)/ (2020年6月6日 18時) (レス) id: c80579e6b6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみやン(プロフ) - 光くんむっちゃほんとにかっこよすぎる………Yニャンさんのお話ほんとに大好きです……!更新頑張ってください( *´艸`)応援しています! (2020年6月4日 12時) (レス) id: cef1a7a657 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:にゃんたまファシル | 作者ホームページ:http  
作成日時:2019年10月16日 18時

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