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『あとはここだけだね』

光「そうですね。なにか、手がかりがあればいいんですけど……」

左側の扉に入ると、右側の部屋と同じような構造だった。

『あ、光くん!これ、使えないかな?』

私が指差したのは、一つだけ置かれてあった椅子だ。

光「きっと使えますよ!持っていきましょう!」

光くんは頷くと、椅子をかついだ。

光「他に、なにかありますか?」

『ううん、その椅子以外はなにも……』

光「わかりました。とりあえず、戻りましょう」

私達は先ほどの棚だらけの部屋に戻り、カギらしきものがあった棚の側に椅子を移動させた。

光「すみません、椅子、押さえててくれますか?」

『わかった、気をつけてね』

光くんが椅子に上り、私は椅子が揺れないように押さえる。

『光くん、大丈夫?』

光「大丈夫です、あともう少しで取れますよ」

必死に腕を伸ばしてカギを取ろうとする光くんに、私も自然と力んでしまう。

光「と、取れました!Aさん!」

『おめでとう、光くん!』

ピョンッ、と椅子から飛び降り、私にカギのプレートを見せた。

『地下牢のカギ……?』

ボロボロだったが、かろうじてその文字が読めた。

光「場所はわかりませんが、とりあえず探してみましょう」

『そうだね。進むルートはここしか……っ!?』

光「Aさん?」

いきなり言葉を途切れさせた私に、光くんが不思議そうに問いかける。

だけど、私は返事をせずに部屋の真ん中を見つめていた。

光「Aさん、どうかし………っ!?」

私の視線を追っていった光くんも、同様に目を大きく見開いた。

『な、なんで………?』

光「もう、死んだはずじゃ……!」

私達の見つめる先には、死んだはずの円堂さんが立っていたのだ。

円堂さんは無表情で左側のドアを見つめている。

『え、円堂……さん……?』

私は恐る恐る声をかけて、円堂さんの方に一歩近づく。

と、円堂さんは気づいてこちらを向いた。

『っ!!』

光「え、円堂さん……!?」

私達の方を向いた瞬間、

なんと、円堂さんの姿が一気に変わり、青鬼の姿になったのだ。

『あ………ぁ……!』

光「逃げますよっ!Aさん!」

驚いて動けなかった私を、光くんが引っ張ってくれたことで我にかえる。

茶色の髪にオレンジ色のバンダナ、でも、姿や顔は青鬼そのものだった。

青鬼が追いかけてきたため、私達は急いで部屋を出た。

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キラキラヒロト - 青鬼は、ゲームで知ったんですけどここまでリアルにつくられていて、凄いです!好きな人が殺されるのは、悲しかったけど続きが楽しみです! (2020年1月12日 19時) (レス) id: e853801cfa (このIDを非表示/違反報告)
Yニャン - ルーミー・リンドゥーさん» コメントありがとうございます!読み応えがあると言ってくれてとても嬉しいです!更新も頑張っていくのでよろしくお願いします! (2019年10月13日 10時) (レス) id: 0e74a4daf4 (このIDを非表示/違反報告)
ルーミー・リンドゥー - ストーリーがとっても面白く読み応えがありますね。更新頑張ってください! (2019年10月13日 6時) (レス) id: 8b75577298 (このIDを非表示/違反報告)
Yニャン - ゆーみやンさん» はい!お互いに頑張りましょうね!あと、これからもこの作品をよろしくお願いします!ゆーみやンさんの作品も読ませていただきます! (2019年10月12日 23時) (レス) id: 0e74a4daf4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみやン(プロフ) - Yニャンさん» マジですか!????? う、嬉しい……ですありがとうございます!!!!。・゜・(ノД`)・゜・。 はい!頑張りましょうね!( *´艸`) (2019年10月12日 19時) (レス) id: cef1a7a657 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:にゃんたまファシル | 作者ホームページ:http  
作成日時:2019年9月15日 14時

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