ー美しい姫ー ページ4
中の女の子は大丈夫かと覗くと、今の衝撃で目を覚ましたようだった。
そして思わず皆はじっ、とその女の子を見つめる。
小さな女の子は眠たそうに目をこすり、辺りをきょろきょろと見渡した。
そして、土方たちを視界に入れると、こてんと首を傾げた。
「こ、これどうすんだ…？」
「知らねぇよ。つか、言葉分かるのか？」
ひそひそと永倉と原田が話し合っていると、女の子は大きな瞳でじーっと見つめてきて、そしてにぱっと笑った。
不覚にもその小さな生き物に、その場にいた者は全員心を射たれた。
「な、何この可愛い生き物…！」
思わず総司がそう呟いて、まじまじと女の子を見つめ返す。
女の子は訳がわからずずっとにこにこしており、警戒心の欠片もないような顔で皆を見つめていた。
「副長…これは、人間なのでしょうか…」
「んなわけねぇだろ。こんな小せぇ奴見たことねぇ。人間の大きさじゃねぇだろ」
「じゃあ何だっていうんだよ？」
平助の質問には誰も答えられず、考えあぐねていると、ふと永倉が口を開いた。
「かぐや姫だったりしてな！」
その一言にばっ、と全員が振り返り、永倉に視線が注がれる。あまりの気迫に、永倉は一歩下がって引き笑いを浮かべた。
「い、いや、竹取物語のかぐや姫って生まれた姿は三寸だろ？しかも、大層綺麗な女の子だっていうし…その女の子の着てる服なんか完全に平安時代の物だからそうかなー…と」
見た目に関わらず博識の永倉は説得力がある言葉をつらつらと並べていく。
「新八つぁんの言う通りかもな。さすが、新八つぁん！見た目に反して博学！」
「どういう意味だ平助！！」
二人が痴話喧嘩を始めても、何が怒ってるのか理解できていない小さな女の子はまだニコニコしてこちらを見つめていた。
それに気づいた沖田は、その女の子に視線を移してにこりと笑った。
「君に名前つけてあげよっか。名前がないと不便だしね」
「ちょっと待て総司！そいつここで飼うつもりか！？」
「いけないんですか？」
けろっと土方に質問を返すと、ぐっと言葉に詰まる。
「一応長州の荷物から見つかった物だから危険な可能性も…」
「これのどこが？何かできるように見えるんですか？」
「そ、それは…」
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musiclove9213(プロフ) - 続きみたいです！ これからも頑張ってください♪ (2018年3月23日 18時) (
レス) id: f2e3fea196 (このIDを非表示/違反報告)
fairyprince - 続き早く見たいです。更新頑張って下さい!! (2015年5月26日 19時) (レス) id: 9311744b35 (このIDを非表示/違反報告)
桜月姫 - あぁ早く続きみたいです！これからも頑張って下さい（＞д ＜) (2014年1月29日 17時) (レス) id: 10f22ae95a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜月 | 作成日時：2013年9月17日 19時
