ー出逢いー ページ3
ある日の屯所。その日は穏やかな日とは言えなかった。
「長州の商人捕らえたんだって？」
「うん、これから土方さんが拷問して吐かせるってさ」
原田の質問にこくり、と頷いて、沖田は手元の荷物に視線を移す。それを不思議そうに藤堂が眺めた。
「なんだ、これ？」
「商人が持ってた持ち物だ。これから怪しい物がないか確認する」
「なんか面白そうだな！」
「これは遊びではない」
真面目な斎藤ははしゃいでる永倉をぎろりと睨む。それに凄んだ永倉は小さく「すみませーん…」と呟いた。
こうなったのはつい数日前。
長州に出入りしている商人が何やら怪しいということで、その商人が京に来てるときいてとっ捕まえるように指示が出た。
それで今日巡察中に沖田と斎藤が捕縛したというわけだ。
「ねえねえ、この箱って何かな？」
「なっ、そ、総司！むやみやたらに触るな！危険なものでも入ってたら…！」
「えい」
斎藤の忠告など右から左に聞き流した沖田は、その箱をぱかりと開けた。
そこで、その場にいたものは絶句することになる。
「お、女の子…？」
沖田は確かめるように、ぽつりと呟く。可愛らしい女の子が見えていたのは沖田だけではなく、周りとて同じで、目をぱちぱちと瞬かせていた。
箱の中には十二単を着た三寸(9cm)ほどの可愛らしい女の子。普通ではあり得ない小ささである。
すやすやと寝息を立てて心地よさそうに寝ている。
何かの人形かと思って沖田が恐る恐る突っついてみれば、確かにそれは息をしていた。
「い、生きてる…！」
「なっ！？そ、そんなわけ……生きてる！？」
沖田に続いて小さな女の子に触った斎藤は確かに人の体温を感じて、引き潮のようにずざざっと後ずさる。
「ま、マジかよ？」
藤堂や原田たちもその箱を覗き込みながら、あり得ない、という顔をしている。
五人でしばらく放心していると、丁度土方が通りかかり、五人の姿を見て怪訝そうに眉を寄せた。
「おめぇら何やってんだ？総司と斎藤には持ち物を調べるように頼んだだろ」
「ちゃんと調べてますよ。言われたとおり調べたらこんなのがあったんです」
むすっ、としたながら沖田が土方に箱を突き出すと、土方は疑問符を浮かべながらそれを受け取り、中を覗き込んだ。
「ん？……うわぁっ！！」
最初は土方も人形か何かかと思ったが、リアルな寝息が聞こえて思わず箱を投げ出す。
慌ててそれを原田がキャッチする。
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musiclove9213(プロフ) - 続きみたいです！ これからも頑張ってください♪ (2018年3月23日 18時) (
レス) id: f2e3fea196 (このIDを非表示/違反報告)
fairyprince - 続き早く見たいです。更新頑張って下さい!! (2015年5月26日 19時) (レス) id: 9311744b35 (このIDを非表示/違反報告)
桜月姫 - あぁ早く続きみたいです！これからも頑張って下さい（＞д ＜) (2014年1月29日 17時) (レス) id: 10f22ae95a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜月 | 作成日時：2013年9月17日 19時
