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「この度はお悔やみ申し上げます。」
何人の人にこうして頭を下げられただろうか。
父はずっと険しい顔をして、母はずっと静かに泣いていた。
私は、まだ現実を受け止めきれないでいる。
弟が、死んだ。
昨日の夕方頃、親から連絡があった。
近所のマンションの屋上から、飛び降りて 自 殺 。
どうして。
春から海外へ行って頑張るって言ってたじゃない。
やっとやりたい事が見つかったって、言ってたじゃない。
「勇樹、学校で虐められていたらしい。」
「え？」
「海外に行きたいって言ったのも、それが原因らしくて。」
勉強もスポーツも並以上にこなせる勇樹は、小さい頃から同性には僻まれる存在ではあった。
体操着や上履きを隠されたり、教科書か破かれていたりなんてことは、たまにあった。
その度に勇樹は「大丈夫」の一点張りで、私たち家族にも涙は見せなかった。
中学に上がった頃、周りの友達も大人になったのか、あまりにも無関心な勇樹に飽きたのか、全くそういった類の話は聞かなくなっていたのだけれど。
どうやら、"受験" へのストレスが勇樹にぶつかつたらしい。
助けれやれなかった。
その悔しさと虚しさと絶望感だけが、私には残った。
「A。」
親に会釈した後、目が合った勝利は、なんとも言えない表情をしていた。
「...大丈夫か。」
「うん。」
「泣かないのか？」
「勇樹の方が辛かったのに、泣けないよ。」
「っ...」
なんで、勝利が泣きそうになるのよ。
「ちょっと予定立て込んでて葬式には出られないんだ。ごめん。」
「ううん。大丈夫。ありがとう、来てくれて。」
「ん、じゃあまた、大学で。」
うん、と頷いた私の頭をそっと優しく撫でて、勝利は去った。
夜空に酷く綺麗に輝く月が、虚しさをより一層深いものにしていった。
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はる(プロフ) - あらたさん» あらた様 うわー！本当ですね！すみませんご指摘ありがとうございます！これからも当作品をよろしくお願いいたします。 (2017年11月6日 2時) (
レス) id: ab803b53a8 (このIDを非表示/違反報告)
あらた(プロフ) - 設定に変わってしまっているのかなと思います。なにか考えがあってでしたら申し訳ありません。これからも更新楽しみにしております！ (2017年11月5日 4時) (レス) id: b48a22250f (このIDを非表示/違反報告)
あらた(プロフ) - こんばんは！初めまして。作者様の書かれるストーリーだけでなく、言葉や作品の雰囲気やリズムなど全部がツボです(;_;)作者様のお話が大好きです〜！それと私の間違いだったら申し訳ないのですが、68では主人公は夏生まれとなっていますが70では11月？あたりの→ (2017年11月5日 4時) (レス) id: b48a22250f (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 未空さん» 未空様 もったいないお言葉をありがとうございます！これからもよろしくお願い致します。 (2017年10月26日 1時) (レス) id: ab803b53a8 (このIDを非表示/違反報告)
未空(プロフ) - 今1番好きな作品です！続き楽しみにしてます！ (2017年10月24日 0時) (レス) id: 0d0a977df5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はる | 作成日時：2017年9月13日 2時
