キキョウの花を呪いに【呪術廻戦】

クローバー ページ8

泥水が私の白い靴を汚す



『私みたい…』


世界が真っ暗に見える


今日もまた生臭い血の中で呪霊を祓う


｢お前なんて怖くないんだからなぁ！？｣

｢俺は強い…ヒッヒッヒッ｣



あー、こんなにも醜い生き物を創り出しているのが私たち人間だなんて



『うるさい』


『黙れ』



私がそう呟けばさっきまでの威勢が無くなる


そして私の思うままになる



『ひれ伏せろ』


そう言えば呪霊は抵抗することなく従う


『私、貴方たちが大っ嫌いなの』

『貴方たちがいるから、私は幸せになれない』



世界で1番大っ嫌い


見たくもない



『消えろ』



そう言えば跡形もなく散る



なんて恐ろしい力を持ってしまったのだろう


私の本当の力が上に漏れれば私は消される



悟ちゃんが居るだけでこの世界の呪力は均一を取れない。


だからずっと我慢する



私の中のこの力が外へ溢れださないように





閉じ込めて


ギュッと



奥深く




『っうぅ…はぁっはぁっ…』




これをすること自体が自分を滅ぼす行為




辛い



苦しい



助けて




もう嫌だ





なんで私がこんな目に遭わなきゃイケナイノ






本当は悟ちゃんが憎かった



あの日あの時、悟ちゃんへ会いに行ったのは





悟ちゃんが大っ嫌いだったから






ただ生まれが違うだけ



なのに、あんなに生意気で…



わたしだってっ…




『何が天才よ…』



『生まれ持った才能…？』



『じゃあ私はなんなのよ！！！』



誰もいない深い森の中



私の声だけがこだまする




『ずるいよっ…』


『ずるいずるいずるい』




悟ちゃんが私に懐いたらどん底に落とすってずっと思ってた




だって私はあなたが憎かったから



甚爾だけが分かってくれた私の痛み





『でも…』




『なんでこんなに愛しちゃったのっ…』




こんなはずじゃなかった




私は悟ちゃんを憎んで、復讐しようとしてた




でもあんなに、私を見つめる目が…





《Aに出逢えて…よかったってお、思うよ…俺は…》





そんなに澄んだ目で見ないで…




私は真っ黒なの





『ごめんね…悟ちゃん』





『お願いだから…私をこの辛さから解放させて』





この日決めた私の運命





決行まで1825日



ｰｰｰｰｰ
今週中には完結させたいなと思ってます

ゼラニウム→←モッコウバラ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す