キキョウの花を呪いに【呪術廻戦】

白いアネモネ ページ6

『私、一昨日から東京にある呪術高等専門学校に通い始めたの』


『花の…JK！！！』



じゃじゃーんと制服を見せてくるA



「なんか、高校生らしくなくね？その服」



そう言えば落ち込むA



『これでもカスタムしてもらって高校生風にしてもらったんだよ…』



たしかに少しそうかなとは思えるが高校制服とは言えない



「ま、似合ってるからいいんじゃね」



『ほんと！？』



褒めれば直ぐに立ち直る。




その純粋な笑顔を見ると…



「お前は…呪術師になんのかよ」



『うん。なるよ』


『この家に生まれた時から、悟ちゃんと同じだよ』


『決められた道しか歩けない』



産まれた家によって道を決められている事に苛立ちを覚える



「Aは他になりたいものないのかよ」


『他になりたいもの？』


『そうだなあ』


『幸せなお嫁さん』


『子供も欲しいから、素敵なお母さんがいいかも』




きっとこれは心からの本心なんだろう



目をキラキラさせてればわかる




「Aって子供好きだっけ」


『好きだよ。とっても好き。だから、もし自分の子供が出来たらずっと離してやんないかも！』


冗談だけど〜なんて笑う




「したら、俺が幸せなお嫁さんにも素敵なお母さんにもしてやる」


「Aの夢絶対叶える」



『無理だよきっと』



キッパリと答える



『この家系に生まれた時点で、全て決まってるもん』


『そしてこの仕事を選んだ』



「それって…」



『私、許婚が高校上がると同時に決まったの』


『だからあの日言った約束も出来なくなっちゃう。』


『ごめんなさい…』


初めて見たAの涙


ボロボロと大きな目から溢れだしてくる



『私、好きでもない人と結婚したくない！』

『子供も家のためだからって産みたくないよっ…』




『好きになってた見たい。きっと少しずつ』


『悟ちゃんにこの話するの嫌だった』

『ずっと内緒にしてたかった』


『ずっと一緒にいたかった』



今Aが俺だけを見ててくれる。



それがこの十数年生きてきた中で1番嬉しくて



「いつ、いつ結婚すんの」


『私が大人になってから少しして』


『緋麗家の女の子は22で結婚するって決まってる』


『だから、あと6年』



「あと、6年もあるだろ」


「6年も経てば俺はAに舐められないくらいにいい男になってやる」



「そしたら俺がAを奪い取ってやる」



「そんで俺がずっとお前を守ってやる」

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