エリカ ページ21
あの日を境に全てが変わった
私を取り囲む環境も
周りの対応も
でもいちばん私が変わったのかもしれない
父も母も姉も私のこの力を制御させるために
家族の死と引替えでしかあの時の小さな体にあの力は重すぎたんだと思う
でも、なんで私のために家族は死んだの？
分からない。分かりたくない。
私を心から愛して満たしてくれる人がいなくなった
この力の制御と共に与えられた孤独
ああ、
ひとりぼっちは嫌だ
そんな矢先に出会ったのが甚爾だった
あの家にいるのが嫌で苦しくて辛くて
昼間のあいだ過ごせる場所を探してた
やっと見つけた。
そう思ったら瞼が重くなって
｢おい｣
｢勝手に人の場所で寝んな｣
『んぅ…？』
｢お前だよ。おい聞いてんのか｣
重い瞼をあければ私より年上そうな男の子
『あ。ごめんなさい…』
｢ここは俺の場所なんだよ。勝手に入ってんな｣
『ここ居心地良くて…つい寝ちゃって…』
きっと私の顔が酷いことになってたんだろう
視界が滲んでるから
｢そ、まあ少しだけなら貸してやるよ｣
そう言って私の頭を優しく撫でた
初めて会った人なのに、何故か涙が止まらない
『うぅ…うぐっ…』
まだ子供だった私には重すぎて
そして、彼の手のひらは冷たいのに。とても心地よく感じた
｢泣くなよ。俺、慰め方とかよくわかんねえし｣
『抱きしめて欲しい』
『ギュッとしてくれたら嬉しい』
母の温もりがまだ鮮明に体に残っていて。
彼に抱きしめてもらうことでより濃く感じたかった
｢めんどくさ｣
そう言いながらも抱きしめてくれる彼はとても優しい人なんだと思う
『温かい…』
｢そうかよ｣
そんな彼に幼ながら恋というものをしてしまった
『私、緋麗A。よろしくね！』
涙でグチャグチャな顔をみて彼は少し笑う
｢俺は禅院甚爾。よろしくな｣
幼い私は御三家の名前なんて知らなくて
でもきっと彼は私のことを知ってたんだと思う
だって
｢お前は俺と同じだな｣
遠くの空を見ながらぼそっと呟いた声が聞こえたから
『同じ？』
｢いや、なんでもねえ。｣
きっと、何もかも違うけど
確かに私たちは孤独だった
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ゆあ - とても、二人の愛が見えてきて面白かったです(^^)(^^) こんなにも面白くて何回も読み直してしまいました。感情移入もできましたし、最高でした!(^^)(^^)続きもゆっくりで良いので、よろしくおねがいします(^^)(^^)その時は、必ず読ませて頂きます(^^)(^^) (2021年8月8日 17時) (
レス) id: fb16359603 (このIDを非表示/違反報告)
キャンディー(プロフ) - プスメラウィッチさん、コメントして下さり誠にありがとうございます。そう言ってくださる方がいますと私としてもやる気が出ます。頑張って更新していきたいと思います！ (2021年3月19日 22時) (レス) id: 6d339b4417 (このIDを非表示/違反報告)
キャンディー(プロフ) - みーさん、返信遅くなり申し訳ありません！別編でもコメントして下さりありがとうございます！！！ (2021年3月19日 22時) (レス) id: 6d339b4417 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、続きが楽しみです。頑張って下さい。応援してます。 (2021年3月14日 18時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
みー - 続き待ってるよ。 (2021年3月9日 23時) (レス) id: 273ade198c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヤマタノ | 作成日時：2021年3月9日 13時
