キキョウの花を呪いに【呪術廻戦】

カタクリ ページ15

昔から、ちょいちょい公園の花を見に来る女の子



すごいべっぴんってわけやないけど、



笑顔が綺麗な人やった




年は俺とそんな変わらへん見た目





俺はいつもその子を物陰からみとった






そんなある日



『なーに見てんの？』





ついにバレた




『そんなに私変なことしてる？』



やっぱり綺麗に笑う




「俺、友達になりたいと思って」




不意に口からでてしまう




『私と？』



おかしそうにわろう



「おん」



『いいよ。私でよければ』





そう言って手を差し伸べてくる




「なんや？」




『仲良くなるおまじない』



『ね？』





初めてやった、こないにも俺に純粋な心で接してくる人



差し出された手を取る




『これで私たちお友達だね』


少し照れくさくなる



「おん！友達や」




その日から彼女が来る時は話すようになりよった




ほんで、この公園に咲く花を教えてくれた




『この花はね、カタクリって言うの』



『綺麗でしょ？』



「おん、綺麗や」



『あ、最近観た映画で言ってたんだけど…』



『女性に花の名前を教えてもらうとその花を見る度にその人を思い出すんだって』




そうやって悪戯っぽくわろう




「ほなら、俺がこの公園を通る度Aのこと思い出すんやな」



ちょっと不思議な気持ちになる



『不思議だね』



俺の心を見透かしたように言う




「そや…｣





「おう、こんなとこ居たのか」


振り向けば従兄弟の禅院甚爾



『甚爾…！』



彼女の顔を見ればたぶん、





恋してる顔




きっと甚爾くんも同じ





「あ、直哉。久しぶりだな」





甚爾くんが俺を捉える




「おん、久しぶり」




少し、いやかなりの喪失感を感じた





やっと見つけられたと思った




でも、俺が見つけただけ




彼女は俺を見つけていない




「2人知り合いやったんやな」




やっと出た言葉がそれ





『うん、そうなの！』


『というか、私もびっくりだよ！直哉くんが甚爾と知り合いなんて』




あぁ、そういえば苗字言ってなかった



甚爾くんを知ってるならたぶんこの苗字も知ってる




「俺は禅院直哉、禅院家の当主の息子や｣




『そうだったの！！』


『言われてみれば顔が似てる…』



そう言ってまた綺麗に笑う




あぁ、さよか



俺はこの笑顔が好きなんやって




ｰｰｰｰｰｰｰ
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