キキョウの花を呪いに【呪術廻戦】

ハーデンベルギア ページ1

『こんなところで、小さい子供が1人？』


『寂しくないわけ？』



暖かい風が吹く中庭



俺の後ろから聞き覚えのない声がかかる



｢るっせえ、俺が何をしようと別にいいだろ｣



『そんな事言わないの、今ちょうどお姉さんも独りだったから一緒に遊ばない？』



｢なんなんだよ、おま｣


文句を言ってやろうと思って後ろを振り向く



綺麗な深い紅色の目、宝石みたいにキラキラしてた。



俺と目が合った時、ほほ笑みかける



心臓が止まったと、息をするのも忘れた




運命の人というのは架空の物だと思ってた




馬鹿なヤツらの、馬鹿な虚言だと





そんな嘲笑ってたヤツらと同じ人間になってしまった






あぁ、こんなにも現れるのは早いんだ



『おーい、大丈夫？』


俺が動かなくなったのを心配したのか、目の前で手を振っている




｢俺、悟。｣



｢名前、は？｣




『緋麗 A』


｢あか、り A｣


聞いた事も無い名前




何故この家に入れたのか、




でもそんなことどうでもよかった。




｢A｣



自分に言い聞かせるようにつぶやく



『なーに？』



『悟ちゃん』





｢さとる、ちゃん？｣




雰囲気が一気に壊れた




｢なんで、ちゃん付けで呼ぶんだよ！！｣



『え、だって可愛いから？』



｢俺は男だ！可愛くなんてない！｣



『え、だってまだ5歳でしょ？』



｢そうだよ、5歳だよってなんで俺の年知ってんだよ！｣




先程までとは全く違う、なんだこいつ




『有名だよ？無下限呪術と六眼を併せ持って生まれた五条の男の子』




ああ、こいつもそれが目当てだったのかよ。



『まあ、私は興味無いけど、』



『とりあえず、ここへ来たから遊び相手が欲しいと思って』



呆気に取られた




でも、本当に俺の持つ能力に興味がないみたいだった。




『で、どうなの？遊んでくれる？』




｢仕方ねえから、遊んでやるよ｣



『お口が悪いですよー？悟ちゃん』



｢だから、悟ちゃん言うな！｣



『年上にそんな口聞いていいの？』




｢は！？年上って別に｣




『私、貴方の5個上なんだけど、今10歳』




確かに俺よりも幾分大人っぽくって背丈も高かった






｢は、別に年とか関係ねえだろ｣




『まあ、いっか。』




『それより何して遊ぶ？』





｢ババ抜き｣




『それ、ふたりじゃ出来ないけど。』

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