君の癖を見抜けないなんて侮らないで ページ7
××
その後もフレッドとジョージはジニー以上にウィンドウショッピングを満喫していた。シェリーはジニーに「お手洗い行ってくるわね」と告げてからそっとあの雑貨屋まで引き返す。ジニーが見ていたバレッタと自分用のアクセサリーを購入して店を出たとき、見覚えのある金髪が視界に入った。
「あら、ドラコ」
「なっ」
ひょいっと後ろから声をかけた彼女は目を丸くするドラコに微笑みかける。あなたも来てたの、と嬉しげに笑う彼女を精一杯睨みつけた。
「ちょうど良かった。荷物持ちになってよ」
「はあっ！？ぼ、僕は父上を待ってるんだ！」
「大丈夫。時間は取らせないわ」
シェリーは紙袋をマルフォイに押しつけて、今度は書店に入っていく。父が戻って来ないか確認しながら、仕方なく彼女の後を追った。相変わらずわけのわからない女だった。
「おいアドラー……」
「この本、魔女が書いた恋愛小説なんだそうよ。友達がね、手紙で話してくれて興味を持ったの……あなた、読んだことある？」
「ないに決まってるだろ」
大方、その友達というのはシェリーにべったりはりついているラベンダー・ブラウンだろう。いかにもな恋愛脳だ。マルフォイは本を見ながら鼻で笑った。
「じゃあ読んでみたら？意外とハマるかもしれないわ」
「おまえ、僕を侮辱しているのか？」
「いいえちっとも」
すぐに支払いを済ませたシェリーは買ったばかりの本をマルフォイに持たせ、また別の店に入った。なんで僕がこんなことをしなければいけないんだ？この本で殴ってやろうか……とすら思ったが、返り討ちにされるのは明らかだった。
「おいアドラー、僕にこんなことをさせてただで済むと思っているのか？」
「あらあなた、私の荷物持ちになったこと誰かに言えるの？」
「……っ〜！」
マルフォイは悔しげに顔を歪める。
シェリーはクスクス笑って店内の商品を見回していた。
───不意に地面に商品の一つであるリング落ちていることに気がついた。良いデザインをしていた。誰も見ていないことを確認して、そっとポケットに入れる。
本人ですらあまり自覚はなかったが、彼は手癖が悪かった。
気になる本があったら強引にページを破り取ってポケットに入れるし、落ちている物でも少し気に入ったら自分の懐にしまう。それはもうずっと昔からの癖だった。誰も気づかないし、咎められたこともない、小さな癖。
「ドラコ」
なだめるように、彼女の手がポケットに突っ込まれていたマルフォイの手に触れた。その手は驚くほど優しかった。
**
君の癖を見抜けないなんて侮らないで→←いつだってないものねだり
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しーちゃん(プロフ) - 大好きな作品で何度も読み返してます!! 更新お待ちしてます!! (9月18日 15時) (
レス) id: 71c5178530 (このIDを非表示/違反報告)
祐子(プロフ) - 何度も読み返している作品です！ずっと大好きで応援してます！！更新お待ちしてます (8月22日 8時) (レス) @page8 id: 5bb6c4a772 (このIDを非表示/違反報告)
himamo(プロフ) - ほんとーにめちゃ大好きな作品です！！！これからもずっと応援してます！！ (8月20日 18時) (レス) @page8 id: cc19575f15 (このIDを非表示/違反報告)
りりちゃん(プロフ) - ハリーポッターの映画を見返して、この小説を読まさせていただきました。とっても面白くてわくわくしました！！！もしお時間ありましたら続き読みたいです！更新お待ちしてます！ (8月15日 23時) (レス) @page8 id: 0c4dd5db53 (このIDを非表示/違反報告)
チョコドーナツ(プロフ) - めっちゃくちゃ面白いです〜!!見つけてすぐに一気読みしちゃいました！応援してます！！ (2023年5月7日 1時) (レス) id: 915577a7d1 (このIDを非表示/違反報告)
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