はじめまして、スリザリン ページ5
××
───しかしその瞬間、グリフィンドールの席から割れんばかりの歓声と拍手が巻き起こった。
「ひゅーひゅー！！超かっけー！友達になってくれーー！」
「おい新入生、グリフィンドールに来いよっ！」
「君ーー！最高！」
グリフィンドール生は「クララ！ア・ド・ラー・クララ！」と何故か私の名前のコールを始め───特に眼鏡をかけた男の子の歓声とその隣にいた黒髪の男の子はその中でも一際すごかった。よくよく見てみれば、グリフィンドールの席にはリーマスもいて彼も小さく拍手をしていた。
(……スリザリンとグリフィンドールの……温度差が……)
賑わいまくるグリフィンドールとは反対にスリザリンの空気は地獄のようだった。
「……アドラーくん。座りたまえ」
ワンパターン歓迎先輩はわなわなと声を震わせている。光の速度に例えられるであろう速さで私は席についた。
◇
案の定、入学初日から私は思いっきり嫌われた。
同室になった女の子には舌打ちをされ、談話室に行ってみれば堂々と陰口を叩かれる。───一方で、他寮生の私への好感度はカンストしている感じだった。道を歩けばグリフィンドール生からハイタッチを求められ、ハッフルパフ生と満面の笑顔で挨拶され、教科書や参考書をくれるレイブンクロー生までいた。
「───ねえこれどう思う？セブルス」
「……」
「うーんガン無視」
それから、私はセブルスといるようになった。
他のスリザリン生は私を視界に入れるなり杖を向けるか罵詈雑言を浴びせるのかのどちらかだけど、セブルスは私を無視するだけだったから。
それもそのはず。彼は私に嫌がらせをする暇なんてないくらい、ひとりの女の子に夢中だった。綺麗な夢そのものみたいな緑の眼差しを持った赤毛の女の子。
「今日も可愛いね、あの子」
「うん───ってお前、いつから……！」
「ずっといたよ！！」
今更私の存在に気づいたらしい彼は、私を見るとめちゃくちゃ嫌そうな顔をした。そんなセブルスの後ろから、あの赤毛の女の子が近づいてくる足音が聞こえたので、私はすぐにセブルスから距離を取る。
私も無粋な女の子ではないので、セブルスが彼女といるときは一切近づかないようにしているのだ。彼女と話している彼の横顔はこれ以上ないくらい幸せそうで。グリフィンドールの女の子に真っ直ぐ恋するスリザリンの男の子。きっとそれも、私がセブルスと友達になりたいと思った理由のひとつだ。
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や(プロフ) - とても面白かったです……。主人公ちゃんとロックハート、クィレルとの絡みとかめちゃめちゃ良かったです！素敵な作品ありがとうございました！ (2022年3月20日 20時) (
レス) id: b5a009288d (このIDを非表示/違反報告)
ぴ - 初めまして。とっても面白くて大好きな作品です。応援しています！一つだけ気になったのですが、OWA試験ではなくOWL試験ですよ！ (2021年9月10日 14時) (レス) id: dbaf625547 (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - mikittyさん» 更新してすぐにコメントくださりありがとうございます！mikitty様は一番最初にコメントしてくださった時からずっと応援してくださっていて本当に感謝しかありません…！リセットの方でも宜しくお願いいたします！ (2021年9月9日 1時) (レス) id: 69139934db (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 完結おめでとうございます！！「リセット」期待しています！ (2021年9月9日 1時) (レス) id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - 本都さん» コメント返信遅くなってしまい申し訳ありません…全部大好き、って最高に嬉しい言葉だなと思いました…本当にありがとうございます！こちらの作品はもうすぐ完結しますので最後まで宜しくお願いいたします！ (2021年9月8日 22時) (レス) id: 69139934db (このIDを非表示/違反報告)
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