私達はろくでもない ページ21
××
「おうおう。まーた誰かクソ野郎共に嫌がらせでも受けて尻尾巻いて逃げ帰って来たのかい？ベイビー？」
「あんまり歳上をバカにしないでよね、ハンサムさん」
「で？今日は何があったんだよ」
バーテミウスは勢いよく私の隣に座ると、いつものように舌を出して笑った。なんでもないの、と答える。だって、本当になんでもない。四年生になって、まず下級生からあからさまな嫌がらせを受けることはないし、舌打ちや陰口こそ叩かれるものの、以前みたいに私物を隠されることもなくなった。今日は、そう。ボーイフレンドを取られたみたいで嫉妬しただけ。
「ほんっとに何でもないのよ！……バーテミウスこそ、何でここにいるのよ？」
「なんでだと思う？」
「私のことが心配だから！」
「相変わらず脳内お花畑な歳上だな」
バーテミウスは愉しげに口許を歪ませる。
今、私の話をまともに聞いてくれるのは彼だけだという事実に堪らなく胸が痛くなった。
「……なんかさ、たまにね、色々なことを考えて怖くなるの。どんどん難しくなっていく勉強とか、ホグワーツを卒業した後の進路とか……早い子はもう決めてるし。でも私は、全然考えられなくて……すごく、不安」
気がつけば、後輩相手に弱音を零していた。
私らしくない、なんて思ったけど一度口に出した言葉は取り消せない。
「……小さな脳みそでそんなこと考えててもパンクするだけだぜ、ベイビー。お前の頭は花畑なんだから」
「もう！こっちは真剣に悩んでるのに……」
「就職先に困ったらもらってやってもいいけど」
「就職先は俺の家ってか……う〜〜んやかましいわ！」
▽
それから、レギュラスは相変わらずヴィルベオート卿とか言うよく分からない男に夢中だったし、セブルスも相変わらずマルシベールたちとつるんでいた。私がセブルスに声をかけることも少なくなったある日、彼の方から話しかけてきた。
「……ルーピンのことで聞きたいことが」
「ルーピン？」
「あいつ、変だと思わないか？毎月必ず姿を消す。ずっとずっと可笑しいと思ってたんだ」
「そう？私も精神的に辛い日は何日間か休むし……彼もそんな感じじゃない？」
私がそう言うとセブルスは求めていた答えじゃない、という風に顔を歪めた。そんな顔をされては困るし、せっかく話しかけてきてくれたのにもう二度と話しかけられなくなったら辛い。
「ウーン……ルーピンは引きこもりかもしれないわね……」
(ばかだこいつ)
**
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や(プロフ) - とても面白かったです……。主人公ちゃんとロックハート、クィレルとの絡みとかめちゃめちゃ良かったです！素敵な作品ありがとうございました！ (2022年3月20日 20時) (
レス) id: b5a009288d (このIDを非表示/違反報告)
ぴ - 初めまして。とっても面白くて大好きな作品です。応援しています！一つだけ気になったのですが、OWA試験ではなくOWL試験ですよ！ (2021年9月10日 14時) (レス) id: dbaf625547 (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - mikittyさん» 更新してすぐにコメントくださりありがとうございます！mikitty様は一番最初にコメントしてくださった時からずっと応援してくださっていて本当に感謝しかありません…！リセットの方でも宜しくお願いいたします！ (2021年9月9日 1時) (レス) id: 69139934db (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 完結おめでとうございます！！「リセット」期待しています！ (2021年9月9日 1時) (レス) id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - 本都さん» コメント返信遅くなってしまい申し訳ありません…全部大好き、って最高に嬉しい言葉だなと思いました…本当にありがとうございます！こちらの作品はもうすぐ完結しますので最後まで宜しくお願いいたします！ (2021年9月8日 22時) (レス) id: 69139934db (このIDを非表示/違反報告)
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