初めての恋は少し苦い ページ13
××
「ねえ〜〜〜セブルス、どうしよう！
どうしたら良いと思う？私、もっと彼と仲良くなりたいの！」
「……振られたんじゃなかったのか？」
図書室を飛び出してセブルスを発見した私は洗いざらい吐いた。ブラックによくわからない忠告をされたこと。それを聞いていたレギュラスに振られたこと。でも私は諦めるつもりもないってこと。
「リ……エバンズとの仲を応援してあげるから、私の恋も応援して！ ……お願いっ！ ねっ？」
両手を合わせて頼み込んでも、セブルスは面倒そうに溜め息を吐くばかり。「次の授業なんだっけ？」と話題を変えたら「呪文学」と返って来る。
「呪文学かあ〜〜私、苦手なのよね。
しかも最近、杖の調子が悪くて……セブルス、見てくれない？」
ローブから杖を取り出そうとしたとき、違和感に気がついた。ない。いつもそこに収まっているはずの杖が、ない。だらだらと冷や汗を流す私にセブルスは異変を感じ取ったのか目を見開いた。
「まさか───ないのか？」
「……うん……昨日の夜はちゃんとあったはずなんだけれど……」
「寝ている間にでも隠されたんだろ。
同室の誰かに……いや、もしくは同室全員グルか……」
一時限目と二時限目が杖を使わない飛行訓練だったから全く気がつかなかった。杖がなければ、魔法が使えない。どこかに隠されているだけならまだしも……万が一、破壊されていたら？頭が真っ白になって、唇が震える。
「僕は庭を探すから、そっちは談話室を探して」
「……もう授業が始まるわ……セブルスは呪文学が得意だし、成績も良い。あなたの授業時間を奪いたくはないわ」
「……」
「私は大丈夫だから！」
私は親指を立てて笑顔を作った。
そして何か言いたげなセブルスの背中を強く押す。
手伝ってくれようとするセブルスの優しさだけで私はもう十分。最初の頃と比べて、彼の態度は随分和らいで、彼も私のことを友達だと認識していてくれれば良いな、と思う。
「よし……探すぞー！」
敢えて声に出して気合いを入れる。
宝探しだと思えば少しは楽しい気分になれる───ううん、なれない。周りに誰も人がいないことを確認してから、その場に屈み込んだ。
(……泣かない。泣くな、クララ)
なんとか立ち上がって、庭に出る。
教科書や私の私物は大体、この庭辺りで発見されるから杖もこの辺りに隠されていると信じたい。……ホグワーツの庭は広いしかなり骨が折れるのよね……
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や(プロフ) - とても面白かったです……。主人公ちゃんとロックハート、クィレルとの絡みとかめちゃめちゃ良かったです！素敵な作品ありがとうございました！ (2022年3月20日 20時) (
レス) id: b5a009288d (このIDを非表示/違反報告)
ぴ - 初めまして。とっても面白くて大好きな作品です。応援しています！一つだけ気になったのですが、OWA試験ではなくOWL試験ですよ！ (2021年9月10日 14時) (レス) id: dbaf625547 (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - mikittyさん» 更新してすぐにコメントくださりありがとうございます！mikitty様は一番最初にコメントしてくださった時からずっと応援してくださっていて本当に感謝しかありません…！リセットの方でも宜しくお願いいたします！ (2021年9月9日 1時) (レス) id: 69139934db (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 完結おめでとうございます！！「リセット」期待しています！ (2021年9月9日 1時) (レス) id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - 本都さん» コメント返信遅くなってしまい申し訳ありません…全部大好き、って最高に嬉しい言葉だなと思いました…本当にありがとうございます！こちらの作品はもうすぐ完結しますので最後まで宜しくお願いいたします！ (2021年9月8日 22時) (レス) id: 69139934db (このIDを非表示/違反報告)
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