聞いたらだめ ページ39
、
「…沖田くん、何か変だよ?」
「変なんか、」
「酔ってるでしょ?お酒も程々にしなきゃだめだよ」
「あ、ちょ、!」
何だかおかしいよ、と思ってその場から逃げた。
彼の質問には答えられなかった。それ以上聞かないで、と思ってしまった。
「王様ゲーム、はっじめっるよー!」
私と沖田くんを取り巻く雰囲気とは打って変わって楽しそうなのは松平社長。
「Aちゃんも参加だよぉ」
「え、私そういうの、」
「全員参加ねぇ。あ、おじさんはゲームマスターってことで。若いので楽しんでよ」
「じゃあ私も成り行きを見守るってことで」
「ちょ、松陽さん!」
そそくさと逃げる辺り松陽さんも上手い。私も逃げたかったな、なんて思いながらソファに腰掛ける。
「…ちッ、面倒くせェ」
「心の声が漏れてますよ、土方さん」
「こんなのどうやって楽しむんだよ」
「それは私も聞きたいです。銀さんとかなら楽しめるんでしょうけど」
「同感だ」
隣に座っているのは土方さんだった。
無意識とはいえ隣に座ったことで女性社員たちからの視線が痛い。だったら自分たちが隣に座ればよかったのに。
「王様だーれだ!」
「あ、私アル!」
最初の王様を引いたのは神楽だった。やっぱり運が強い。
「じゃあ、4番と7番が隣に座るヨロシ」
「あ、私4番」
「誰アルか、7番」
「ーーー…俺でさァ」
4番を引いたのは私だった。初っ端から引くなんて運が強いのか何なのか分からないけど、幸いにも神楽が出したお題は優しくて良かった…と、思ってたんだけど。
「じゃあクソサドとAが隣アルな。…ごめんアル、A」
「いや、大丈夫だから、」
まさかの相手が沖田くんなんてことある?!
「…そんなにぎこちなくならないでくだせェ」
「…うん、ごめん」
なんか周りからの視線が痛いんだけど、気のせい…じゃないよね。
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Hanavi(プロフ) - ありがとうございます!!!! (2019年4月30日 22時) (レス) id: 5a9b3d8683 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - めっちゃ面白いです、これからも更新頑張ってください! (2019年4月30日 16時) (レス) id: 9b87fec193 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Hanavi | 作成日時:2019年2月11日 18時