検索窓
今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:27,310 hit

episode 128 −ロジカルシンキング− ページ8

.


サトシくんにかける言葉は見つからなくても

論理的に物事を考えるのは

オレの最も得意とする分野だ。





「今まで何事もなく過ごしてきたのに
ここにきて急にいろんなことが起こり出しただろ?」


「うん…」


「カズに施された護りの紋章は
それを授けた人の命を盾に護るものだ。
おばさんが亡くなって今年で5年…」








――カズに施されたという護符は

人の命を盾にするというだけあって

かなり強力なものだったんだろう。


だからおばさんが亡くなったあとも

しばらくは効力があった。





でもそれは

その盾となる人の命の消滅に伴い徐々に弱まり

ここにきて本格的に消えはじめてるんじゃないか…








最初のきっかけは

サトシくんが森で迷ったことにあるようだ。





そこに偶然、ジュンが現れた。


…いや、偶然かどうかは分からない。

カズにつながる気配を感じて現れた可能性もある。





いずれにしろ、ジュンは

サトシくんからカズの匂いを嗅ぎ取ったんだ。


そして――








「そして、そのあとは…
さっきサトシくんが話してくれたことに、つながるんだと思う。」


「そんな…そんなのって……」


「……」


「そして、オレ達の身に起こったことにも…」


「でも…でも、それじゃオレ達どうすりゃ…」


「…だから、カズにも伝えるんだよ。」





オレが話している間

ずっと黙ったままだったサトシくんが口を開いた。





「だけどっ…」


「でもさ!さっきショウちゃんが言ったみたいに
カズちゃん不安になるんじゃない?
きっと怖がらせるだけだよ!?」





つい怯みそうになるオレにマサキが援護射撃する。





「カズだって、もう子供じゃないんだ!
自分の身にこれから何かが起ころうとしているのを
知っておくべきなんだよ!
いや、知らなきゃダメなんだ!!」


「キャ、キャプテン…?」





めずらしく声を荒げたサトシくんに

マサキもそれ以上何も言えなくなる…





.

episode 129 −Determination−→←episode 127 −はじまりの気配−



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (74 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
77人がお気に入り
設定タグ:大宮
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:folklorist | 作者ホームページ:http  
作成日時:2013年8月9日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。