episode 158 −過保護のワケ− ページ38
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「オレさ、自分に兄弟がいないから
わかんないだけかなって思ってたんだ。
でさ、マサキにもちょっと聞いてみたことあってさ…」
『キャプテンのはちょっと異常じゃね?
過保護すぎっつーの?
ま、カズちゃん可愛いからしょうがねーか!
ひゃはは☆』
なんて、マサキは笑ってた…
「オレもそん時は
そんなもんか〜と思ったんだけどね。」
「……」
「…でもこの前ふと、思ったんだよ。」
「……」
「で、そう考えると
今まで疑問だったいろんなことが腑に落ちてさ…」
「……」
「だから、それを確かめたくて来たんだ。」
「……確かめる?…何を?」
「うん……あの、サトシくんのね
本当の気持ちを、ね。」
「オイラの…気持ち?。。。」
「サトシくんさ、もしかして
もうずっと前からカズのこと…」
「やめろっっ!!!」
物凄い剣幕でオレの言葉を制した。
殴られるかと思った。
もしかしてそういうこともあるかなとは思っていたけど
サトシくんの迫力は、オレの想像以上だった。
そしてあげた手をグッと握りしめると
何かに耐えるみたいに俯く。
でも……
オレの言葉を制した。
それこそがまさに
サトシくんの本当の気持ちの表れなんじゃないのか?
サトシくんの迫力は怖かったけど
ここまで来たら怯んでなんかいられない。
オレは言葉を続けた。
「サトシくんはもうずっと…」
「やめろ!!」
「ずっと前からカズのこと…」
「それ以上いうな!!」
「愛してた…でしょ?」
「やめ…ろ……」
崩れ落ちるようにガクリとその場に膝をつき
頭を抱えてうずくまる。
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作者名:folklorist | 作者ホームページ:http
作成日時:2013年8月9日 14時