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episode 156 −どうしても…− ページ36

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「え?ショウちゃんの代わりに店番?
オッケオッケ!まかしといて!
バンバン売りまくって稼ぎまくっちゃうかんね〜♪」


「…いや、そんながんばっても売れねーから。」


「またまたそんなこといっちゃって〜!
…あれ?そういえばカズちゃんは?」


「ああ、もうすぐ来るよ。」


「カズちゃんにはいってあんの?」


「ん?カズには何も言ってない…
親父のお使いだって言っといて。」





.





――マサキに店番を頼み

オレは今、サトシくんの家の前に立っている。


自分の頭に浮かんだひとつの想いを

どうしても確かめずにはいられなくなったからだ。





『それを確かめてどうするんだ?』


もう1人のオレが問いかける。





どうするかって?

そんなの、オレにもわかんねー


けど、どうしても

今、確かめておきたいんだ……





"トントン"


「サトシくん?いる?オレ、ショウだけど…」





しばらく間があってドアが少しだけ開く。


開いたドアの隙間から

サトシくんの鋭い目がオレを捕える。


『何しに来たんだ?』

そう言わんばかりの視線に

思わず怯みそうになるが

オレだってやるときゃやるんだ!





「入っていい?」





半ば強引にドアの隙間に体をねじ込むと

無言で部屋へ通される。





「最近、あんまり外でてないんじゃない?」


「……そんなことねーよ…」


「だって、この頃姿見かけなかったよ?
なんか心なしか色も白くなってるし…」


「何?わざわざそんなこと言いにきたの?」


「そうじゃないけど…」


「じゃあ何?なんか用?」


「ん?う〜ん…用っていうか…
ちょっと、聞きたいことがあってさ。」


「聞きたいこと?」








そう、どうしても…

どうしても確かめておきたいんだ。


サトシくんの、本当の気持ちを。








サトシくんの、カズへの気持ちを……


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作者名:folklorist | 作者ホームページ:http  
作成日時:2013年8月9日 14時

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