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episode 147 −半信半疑− ページ27

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今なら…今のオレなら信じられる。


けど、ちょっと前までのオレだったら…


マサキの蝶の話すら信じられなかったっていうのに

魔女なんて言われて信じただろうか?





『皆は、王が何かしらの呪術的なものに
頼っているんだろうと思っていたようだ。
そしてそれを、魔女と呼んでいるんだと…』








そういうことか…


王は…権力者は、常に孤独だ。


例え腹心の部下と言えども

自分の弱さを見せることができず…


その王が唯一頼りにしていたのが

魔女だった…


ってこと、なのかな…?





曾じいさんは兎も角

親父や、サトシくんの親父さん達も

みんな半信半疑だったんだろう。


その当時の王に仕えていたならともかく

自分たちが生まれる前

それも言い伝えといわれている話だ。





それでも、王家の血筋が途絶えずに来たように

先祖代々、脈々と受け継がれてきたそれぞれの役割を守り続け

今のオレ達に至る…ってことなのか……








。。。。ん?

いや待てよ?


仕えてたって、どういうことだ?

そもそもいつの時代の話だよ?


だって俺が物心ついたころには

もうこの店やってたぞ?


ああもう、一体何が何だか……





『けどさ、仕えてたって…今は?
それにこの店は?
え?どういうこと?』


『ふぅ……話せばまた長くなるんだが…
聞きたいか?』


『当たり前だろ!』








カズの曾祖母…

王家唯一の生き残りである王女は

城からも森からも遠く離れた離宮で産み落とされた。


身籠ったことを悟った王妃が

静養と称し密かに城を離れたのだ。


だが産まれて間もなく、王女は王妃から引き離され

王妃は城へ戻り、王女は僅かな家臣と乳母とともに

村に残りそこで暮らすことになった。


月日は流れ…

王女が16歳の誕生日を迎えたその日

真実が告げられた。


最初は驚きを隠せない王女だったが

これも高貴な血筋ゆえか…

全てを受け入れ、王家の血筋を絶やさぬためにと

村人の中から選ばれた、逞しくも聡明な若者と結婚し

やがて女の子が生まれた。


そしてまたその女の子が16になり、結婚し

子供が生まれた。


しかし、これも呪いのなせるワザなのか…


何故か生まれるのは1人だけ

しかも女の子だけだった。





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作者名:folklorist | 作者ホームページ:http  
作成日時:2013年8月9日 14時

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