episode 134 −王様のお話− ページ14
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――王様の名前はセクンデシュライン王。
心優しく、とても聡明な王様でした。
王様のお蔭でこの地はとても豊かな国でした。
ところが王様は何故かお世継ぎに恵まれず
やっと生まれたお世継ぎ達は皆
1歳になるかならないかのうちに
病気や事故で亡くなってしまいました。
そして王様が亡くなると
後を継ぐ者がいなくなった王家は
とうとう途絶えてしまいました。
領主がいなくなり
次にやってきたのは豊かなこの国を狙う
略奪者でした。
略奪者を恐れた人々は
住み慣れたこの土地を捨て
出て行ってしまいました。
家々は焼かれ、田畑は荒らされ
誰も居なくなってしまったこの土地は
いつしかノアザミに覆われていきました。
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『今も小川のほとりにアザミがいっぱい生えてるでしょ?』
『うん!』
『あれはね、そのころの名残りなのよ。』
『へぇー…』
『…そして時が経って
誰も住む者のいなくなった荒れ果てたこの土地に
開拓者としてやってきたのが私たちの先祖なの。』
『ふぅーん…』
『カイタクシャってなぁに?』
『うふふ…カズにはちょっと難しい言葉だったかしらね?
この地をもう一度こんな大きな町にしたのが
あなた達のおじい様のおじい様のおじい様…なの。』
『うわぁ〜!おじいちゃますごーい!』
『ふふ…そうよね〜すごいわよねぇ〜♪』
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作者名:folklorist | 作者ホームページ:http
作成日時:2013年8月9日 14時