【刀剣乱舞】壱を求める話

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遥か、遠い昔。

四重家の始祖である初代当主は
自身の身が神にとって極上の血筋である事を
よく理解していた。


初代は自身の体質を活かし、
とある神と干渉することとなる。

その神の名は【天探女(あまのさぐめ)】
占いや呪い(まじな)を司る神であり、悪神と名高い神でもある。

邪心の化身とも言われる
その神の力を欲した初代当主は、
天探女と契約を申し出た。



天探女もまた、桜真の血を欲していた。
そして彼女は契約に条件を申し立てる。





“身を捧げ、我が私物とせよ”

“さすれば如何なる望みを叶えよう”

“契約に応じ”

“その身に宿りて、その力を授けん”





天探女はそう初代当主に告げる。

そして、初代当主はその身に神を宿す
“神降し”を行い、偉大な力を手に入れたという。
代償として、天探女の私物となりて、
人道から外れし存在となり、
歴史からその存在を消し、
神隠しに応じなければならない。


そうして四重家は【神降し】という
特有の力を手にしたと言われている。









長谷「それが、本当なのだとすれば………
誌重様は、骨喰を異形から切り離すべく、
その【神降し】を発動なさったと……」


ムエ《だろうな。天探女は呪術を得意とする。
縁切りとはまた違うがな。
天探女の力を利用し、その話していた異形に
重ねに重ねられた呪術を解除し、
核となってた骨喰を切り離した。

………こんな所だろう》


赤神「…………そして対価である
“神の私物”として、
誌重ちゃんは連れ攫われた、か」









Aが選んだ選択。
その事の重さを再認識した
広間にいる刀剣達は、絶句する。

その時、フラリと………
広間に集まる刀剣達の合間を縫って、
部屋の中央にいた赤神達に近づく者がいた。


Aの初期刀、歌仙である。
歌仙の体から泡のような気泡がプクン、プクンと
放流されている。
神気を生成出来ず、霊力が漏れ出している証である。

歌仙にとっては歩くのも困難であろう。
だが彼は歩みを止めず、本体で体を支えながら
赤神達に近づいて来た。

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