†佰参拾弐† ページ13
しかし、眠っている刀剣男士は
審神者の力で再び顕現させる事は
不可能ではないらしい。
が、起こした途端に何が起こるか
分からないのだと言う。
それもその筈だ。
前任の審神者から受けたものは、消えることはない。
パニックになったり、膝丸様と同じように
神堕ちとなる可能性だってある。
私はそれに対しての対応力がまだない。
そこで、まず鍛刀してみて新たな刀剣男士の
顕現で練習を重ね、目覚めさせる
その日に備えようと思っている。
和泉「お前も懲りねぇな…………」
『それだけが取り柄ですから』
和泉「簡単な道のりじゃねぇぞ？」
『承知の上ですよ』
和泉「………そうか」
『…………あの、この流れで聞くのもあれですが、
和泉守様は…………会いたいですか？堀川様に』
言いにくい事だが、それだけ確認したかった。
彼と堀川様は、その絆を引き離されてしまった。
理不尽な理由でだ。
私としては、再び彼らを共に歩ませてあげたい。
叶うことなら…………
けど、彼らが負った傷は深い。
私がこれからやる行為は、もしかすると
彼らの傷口に塩を塗る行為に
なってしまうのではないか…………と。
そう思わずにはいられなくて。
和泉「どうだろうな。あいつはあいつなりに
戦って、折れた。刀にとってはそれが普通で、
生半端な気持ちで主に従い…………
戦ってきた訳じゃねぇからな。
あの時は、俺も冷静には考えれなかったから
今更感はあるが」
『…………』
和泉「…………まあ、あの頃に
戻りてぇってのは…………否定はしねぇ。
ここでの記憶があっても、なくても、
俺達が土方さんと共に戦った事実は…………
変わらないからな」
それは多分、もしも堀川様が顕現した時、
ここで過ごした記憶が無くても、
ただ一緒にいたいと言う気持ちは
変わらないって事…………だと思う。
和泉守様はふいっとそっぽを向いて、
再び素振りを始める。
何となく、彼の耳が赤いような気がした。
…………素直に“会いたい”と言うには
恥ずかしかったようだ。
『(膝丸様や薬研様達、藤四郎兄弟…………
いや、ここにいる全員が
きっと誰かに会いたいだろうな)』
五虎「あ、主さまっ」
こん《鍛刀の準備が整いました！》
『…………分かりました、直ぐに行きます』
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冷泉 雪桜(プロフ) - tomo10260403さん» コメントどうもありがとうございます！薄桜鬼も読んでくださって……感謝でしかないですね！これからもよろしくお願いいたします (2019年9月17日 12時) (
レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
tomo10260403(プロフ) - 冷泉 雪桜さまの作る作品の虜になりました！薄桜鬼も刀剣乱舞も一気に読んでしまって、小説を読むのが苦手なほうなのですが、のめり込むようにするすると入ってくる文章に、夢中です！ (2019年9月16日 17時) (レス) id: f4aa91fff9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2019年9月6日 1時
